第79話 家で試験勉強
それから数日後の、日曜日の午前中。
今日は、試験勉強の為に、瑞希先輩達が来る日である。
前の日に、姉さんと二人で、家の中の掃除などを済ませ、一応、人が来ても、恥ずかしくない状態にはしておいた。
そろそろ来る時刻だと思い、居間で待っていると、
「ピンポ〜ン!」
玄関の呼び鈴がなった。
急いで玄関に向かい、扉を開ける。
「おはよ♪」
「おはよ、優くん」
「やあ、おはよ」
「あ、おはようございます」
扉を開けると、右手を顔の横でヒョイと上げながら挨拶する、瑞希先輩。
その後ろで、ニコニコと上機嫌な由衣先輩。
相変わらず爽やかな、蓮先輩がいた。
僕は、そんな先輩達に挨拶を返した。
「やっと来たね〜、さあ、上がって、上がって」
僕の後ろから、そんな声が出しながら、姉さんがやって来た。
「さあ、上がってください」
「「「お邪魔します!」」」
僕が上がるよう勧めると、3人が中に入った。
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「(コンコン)」
「は〜い」
「お邪魔しま〜す」
ドアをノックすると、姉さんの声が聞こえたので、僕は人数分のコップを持って、姉さんの部屋に入る。
3人は家に入ると、そのまま姉さんの部屋に行って、部屋にあるテーブルに座っていた。
それで僕が先輩方に、ジュースを持って来たのだ。
姉さんが自分が持って来ると言ってくれたが、僕が持って来た方が良いと判断したので、僕が持って来たのである。
「優くん、ありがとうね」
そう言って、由衣先輩がテーブルに座りながら、コースターに乗ったコップを受け取ってくれる。
そんな由衣先輩は、相変わらずニコニコしながらであった。
「じゃあ、僕は自分の部屋で勉強しているから。
何かある時は、呼んでね」
「うん、分かったよ」
僕は姉さんに、そう言うと、姉さんの部屋を後にした。
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「しかし、相変わらず、優くんは良い子だよね〜」
「うん♪」
瑞希がそんな事を言って、ゆうくんを褒めてくれたので、私は、嬉しくなる。
「そうだね、そうそう、彼は、3年女子の間で弟にしたい1年生、NO1みたいだね」
それを聞いた、蓮くんがそんな事を言った。
「特に、実際に、弟のいる娘から良く言われる」
今度は、由衣がそう言う。
「まあ、素直で優しくて、思いやりがあるけど、体が大きくて、意外と頼り甲斐があるから。
まるで、大型犬みたいな弟とか言われる」
「でも、以外と甘えん坊で可愛いんだよ・・・」
私がそう言うと、その言葉にボソリと由衣がそう答えた。
「へえ、そうなの〜♪」
それを聞いた瑞希が、面白そうに言った。
その瑞希の言葉を聞いた由衣が、顔を赤くして俯いてしまう。
しかし私は、それを聞いて、内心ムッとしてしまった。
「さあ、いつまでもダベらずに、勉強を始めましょうか」
何となく不穏な空気を察した、瑞希が手早く勉強を開始するように宣言する。
こうして私達は、部屋で勉強を開始したのである。




