表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/105

第75話 少しだけ変わった昼食

 姉さん達と学校に着くと、廊下で別れ、教室に入った。


 いつもの様に自分の席に座ると、すぐ脇から、



 「おい! 優、今日一緒に来ていた娘は誰だよ!

始めてみる顔だぞ、転校生なのか?」



 透也が血相を変えて、僕に尋ねてきた。


 二学期が始まって、数日が経って、やっと気付いたのか?




 「今頃気付いたの? あれは、由衣先輩だよ」


 「はあっ!」


 「ナンパしようとしても、先輩の性格は、透也が良く知っているだろ」


 「・・・」




 僕の言葉を聞いて、透也は、しばらく唖然としながら固まっていた。




 ****************




 昼休みになり、いつも通りに屋上に行った。


 しかし、今日は、大所帯であった。




 「今日は、何で、透也がいるの?」


 「いいだろ、今日ぐらい」


 「由衣先輩目当てか・・・」


 「どうかなあ♪」




 トボケる辺り、図星らしい。



 「ああ、今日は、薬院君も一緒なのか」



 そして、なぜか蓮先輩も一緒に居たのである。



 「すンません井尻先輩、お邪魔してます」



 流石に、透也も蓮先輩には、態度を変えるな。




 「いいよ、蓮で、薬院君」


 「じゃあ、蓮先輩、自分も透也で良いスから」


 「そう、じゃあ、分かったよ」




 蓮先輩と透也が、二人でそんな会話をしていた。



 ・・・




 「その髪型、似合ってますねえ、由衣先輩」


 「ふふふっ、()めても、何も出ないよ」




 透也が、お世辞を言うけど、由衣先輩は、微笑みながらそれを(かわ)した 


 先ほどから、透也のお世辞をスルリを躱す、先輩。


 その姿は、以前の先輩からはとても、想像できない。


 変わった、由衣先輩の姿をしばらく見た後、姉さんの方を見ていると、




 「う〜ん、下手にガチガチに回答を考えると、予想外の質問が出た時に、パニクるかもしれないねぇ」


 「そうだよ華穂さん、だから、ある程度、要点だけ考えて置いて、後は流れでアドリブで行った方が、融通が利くからね」




 どうやら蓮先輩と、面接の事に付いて話し込んでいる様だ。


 それは姉さんが、男性恐怖症気味のを知っている僕が見ても、意外な光景である。


 僕以外の男と、親しそうに話している。


 それを見ていると、理由も無く、何だかイライラしてきた。




 「じゃあ華穂さん、これからも、僕も昼休みはここに来る事にするね」


 「えっ!」


 「色々と、面接や受験に関する事とか、やはり、同じ所を目指している人間と、話し合った方が良いから」


 「・・・うん、そうだよね」




 どうやら、これからも蓮先輩は、昼食は一緒になるつもりらしい。


 それを聞いて、僕の心は穏やかでいられない。


 そんな二人を見て、瑞希先輩が妙にニヤニヤしている。



 「(ひょっとして、この人の差し金か?)」



 その表情から、何となく意図を悟った、僕は。


 瑞希先輩の意味ありげな笑顔を、苦々しい思いで見ていたのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品同様、姉弟のイチャイチャした作品です。
砂糖づけ姉弟
こちらも姉弟のイチャイチャした、星空文庫の読み切り作品です。
猫姉と犬弟
新年のコタツの中で〜寝ている姉にいたずらする〜
寒い冬の夜の出来事〜弟の布団に姉が無断侵入〜
あと、もう少しだから……
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ