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第73話 動き出す周囲

 朝、いつもの様に登校している。



 学校前の駅で降り、そこから学校までの通学路を、二人で手を繋いで歩いていると。




 「華穂、優くん、おはよー!」


 「やあ、おはよ!」




 向こうから、瑞希先輩と蓮先輩が、手を振りながら来るのが見えた。




 「二人とも、おはよ!」


 「どうも、おはようございます」



 それに対し、姉さんと僕は、挨拶を返した。




 「あれ? 今日は一緒なんですか?」


 「うん、実は瑞希とは、家が隣同士なんだよ」


 「でも、蓮と一緒に登校するのは、久しぶりなんだけどねぇ〜」




 珍しい組み合わせに、僕が尋ねてみると、蓮先輩と瑞希先輩がそう答えた。



 「みんな、おはよ〜!」



 僕等がそんな事を話していると、僕のすぐ近くで声が聞こえた。


 見ると、由衣先輩がいつの間にか居たのである。


 全員で挨拶を返すと、由衣先輩も僕らに合流する。



 「それじゃあ、行きましょうか」



 それを見た、瑞希先輩の言葉で、全員、学校に向けて出発した。



 

 *****************




 そうやって、みんな、登校路を歩いていると、




 「ねえ、華穂さん、試験の事で話があるんだけど、良い?」


 「ん? いいよ」



 突然、蓮先輩が姉さんと話を始めた。



 ・・・



 二人がカナリ話し込んでいる。


 僕と姉さんが手を繋いで歩いている所に、姉さんの隣で蓮先輩が話をしている。


 そうなれば、当然、横に列になるので、通行の邪魔になる。


 そう思い、一旦、姉さんの手を離して、姉さんの後ろに移動した。


 すると、



 「(えっ!)」



 フリーになった、僕の左手を誰かが握ってきた。


 見れば、由衣先輩が握って来たのだ。



 「ニッコリ」 



 由衣先輩は、僕の手を握りながら、笑っている。



 「ど、どうしたんですか?」



 イキナリの行動に、僕が由衣先輩に聞いてみるが。



 「ダメ・・・?」



 一転して、先輩が悲しそうな顔になった。


 その表情に、罪悪感を感じた僕は、思わず。




 「べ、別に、ダメじゃないですよ」


 「そう、良かった・・・」



 そう言った僕の言葉に、安堵の表情を見せる先輩。


 仕方ないので、先輩と手を繋いだ状態で歩いていた。



 ・・・



 前を見ると、姉さんが蓮先輩とカナリ、話し込んでる。


 後ろの、僕の状況が分からない程に。


 そして、僕は、姉さんと違う女の子の手を握っている。


 女の子らしく、小さく柔らかだけど、しかし、姉さんよりもヒンヤリとしている手を握っている。


 そうやって僕は、話し込んでいる姉さんを見ながら、違う女の子と手を繋ぎながら、歩いていたのであった。



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