第68話 一緒にやらない?
今回は、華穂視点の話です。
昼休みに、先生から呼び出しがあった。
私が、第一希望にしている大学の推薦試験についての事で、説明があると言う事だ。
そんな訳で、ゆうくんとの昼食もソコソコに、職員室へと向かっていた。
「でも、蓮くんも一緒の所なんだね」
「うん、そうだよ」
「推薦狙いと言うのもそうだし、まあ、蓮くんの成績なら当然なんだろうなんだけど」
「それを言ったら、華穂さんもそうじゃない」
私は、蓮くんと一緒にいた。
蓮くんも、同じ大学、それも推薦狙いでなのだ。
それで一緒に、職員室に行く事になった。
「華穂さんも、結構、成績が良いじゃないか」
「そんな事ないよ、連続学年トップの秀才にそう言われると、嫌味だよ〜」
私は、わざと拗ねた様な素振りを見せる。
「でも、前回の試験では、華穂さん、3位だったじゃないの?
毎回、トップを狙える位置をキープしているのは凄いよ」
そう言いながら、苦笑する、蓮くん。
「その、トップの人にそう言われるのが、嫌味なのよ〜」
そう言って、私は反論した。
「1年の頃から、何度挑戦しても、いつも阻まれただよね・・・」
蓮くんを拗ねたような表情で見ながら、そう続ける。
「・・・ははは、まいったなあ」
そうすると、蓮くんが、今度は苦笑しながら頭を掻き出した。
そんな事を言い合いながら、私達は職員室に向かっていた。
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「はあ、何だか別の意味で、キツそうだね、蓮くん」
「うん、色々と回答内容を考えないとイケナイね」
職員室に行き、先生の話を聞いた。
推薦試験の概要や期日、それから、試験の内容であった。
推薦だから、ペーパーテストは簡単らしいが、重要なのは面接である。
その面接の傾向と対策について、特に説明があったのだ。
カナリ意地悪な質問や、意表を付いた、突拍子もない質問をして、こちらのリズムを崩したりするらしい。
「ナカナカ、厄介そうな内容だから、対策もそれなりに考えないと・・・」
私が考え込んでいると、それを見ていた、蓮くんが。
「そうだ、どうせなら、一緒に対策を考えないかな?」
「えっ!」
「どうせ、同じ面接を受けるのだし、全く同じには出来ないけど、共用できる部分は、共用すれば良い訳だし」
そんな事を提案して来た。
「そうだね、一人でやっても、客観的に考える事が出来ないからね」
私は、その意見に同調すると、蓮くんが、
「今度、どこかで一緒にやらない?」
「ん?」
「出来るだけ、早い内に対策を立てた方が良いからね」
「う〜ん」
急に言われたので、一瞬、戸惑ったが、確かに早い内にした方が良いのは間違いない。
「そうだね、じゃあ、今度、一緒にしようかあ」
「よし!」
「どうしたの、蓮くん?」
「ははは・・・、いや、何でもないよ」
「?」
私が了承すると、蓮くんはなぜか嬉しそうに、ニコニコし出した。
そんな彼を、不思議に思いながら、私は一緒に教室へと戻った。




