表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/105

第60話 弟とシャイガール3

 海辺で、姉さん達とボールを使ったりと、しばらくの間遊んでいた後、海の家で昼食を取っていた。



 「ねえ、午後からは、それぞれ別行動にしない?」



 昼食を食べ終えて、食休みを取っている時に、瑞希先輩が突然、そんな事を言い出した。



 「どうしたんですか、イキナリ?」



 発言の意図が分からない僕は、先輩に質問する。



 「いやね、大人数で動くのも良いけど、たまには2〜3人で動くのもいいじゃない」



 そう瑞希先輩が答えるけど、何だか唐突な印象が拭えない。



 「あ、そうそう、どうせなら、華穂と蓮、由衣と優くんと一緒に動いたら?」



 何だか、ぎこちない様子で、そんな事を言う、先輩。



 「でも、瑞希はどうするの?」



 と、姉さんが、尋ねてきた。


 先輩は、一人でどうするんだろうか?


 こんな美人が一人でなんて、狼どもが狙わない訳が無い。



 「はははっ、下心で近寄る奴なんか、せびってタカって搾り取ってやるから♪」



 ・・・すいません、相手が、羊の皮を被ったハイエナでした。



 「じゃあ、午後から、それで行きましょう」



 そう言って、瑞希先輩が、強引に話をまとめた。




 ****************




 「由衣先輩、足元は大丈夫ですか?」


 「うん、大丈夫だよ」




 そんな訳で、僕は由衣先輩と一緒に、浜辺を歩いていた。


 取りあえず、先輩の要望で、静かな浜辺の外れを、二人きりで歩いていた。


 先輩は、目が悪いので、僕にしがみ付く様にしている。


 先輩の肌は、柔らかいけど、姉さんよりも体温が低いのか、とてもヒンヤリとしている。


 みんなと一緒に、遊んでいる時にも、先輩は僕に、しがみ付く様にしていた。


 しかし、それを見ていた姉さんは、何だか面白くなさそうにしていたが。



 ・・・



 「ねえ、優くん、ここで休みましょ」



 人のいる所から、少し離れた、周りを岩場に囲まれた砂浜に差し掛かった所で、先輩がそう提案して来た。


 それで、二人は並んで、その場所に座った。



 ・・・



 それから、しばらく二人で何も言わず、海を眺めていたら。



 「ねえ、優くん、私って、可愛いの?」



 僕の右隣に座っていた、由衣先輩が、そんな事を尋ねてきた。


 目の悪い先輩が、僕に潤んだ瞳をした顔を近づける。


 懇願(こんがん)する様な、先輩の瞳に、ドギマギしていると、



 「お願い、私は可愛いの?」



 更に、先輩が尋ねて来た。


 目の前にある先輩の、大きな垂れ目に、通った鼻筋、小さい口にぷっくりとして唇をした、顔を見ながら答えた。




 「先輩は、とっても可愛いですよ」


 「良かった・・・」


 


 僕の言葉を聞いた、先輩が涙を流した。




 「先輩、どうしたんですか?」


 「ううん、違うの、嬉しいのよ」





 先輩が、そう言いながら、僕の肩に額を押し付けた。


 そんな先輩の頭を、僕は撫でてやる。


 先輩の、濡れて滑りにくい髪を、痛めないように気を付けて撫でる度に。



 「はあ・・・」



 先輩の、小さな溜め息が聞こえた。



 「優くん、気持ち良いよお・・・」



 先輩の頭を撫でている内に、そんなつぶやきが聞こえて来た。



 ・・・



 由衣先輩の涙が止まった様なので、僕は撫でるのを、止めようとしたが。



 「お願い、止めないで・・・」



 先輩がそうおねだりして来たので、僕は先輩の頭を撫でつづけた。

 

 それから、もうしばらくの間、僕は由衣先輩の頭を撫でていたのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品同様、姉弟のイチャイチャした作品です。
砂糖づけ姉弟
こちらも姉弟のイチャイチャした、星空文庫の読み切り作品です。
猫姉と犬弟
新年のコタツの中で〜寝ている姉にいたずらする〜
寒い冬の夜の出来事〜弟の布団に姉が無断侵入〜
あと、もう少しだから……
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ