第6話 一緒の昼食1
4時間目の終わり。
「キ〜ンコ〜ン、カ〜ンコ〜ン」
「・・・それでは、今日はここまで」
チャイムが鳴ると、壇上の先生が授業の終了を宣言する。
それと供に、教室には片付けと、昼食の準備の音で騒がしくなった。
僕も、教科書などを片付けて、弁当をカバンから取り出すと。
「じゃあ、優、また後でな」
透也が、立ち上がりながらそう言うと、食堂の方に向かって歩き出した。
透也は僕と違って、昼食は食堂で取っていので、昼は別行動である。
まあ別行動なのは、それだけで無く、昼食時は、瑞希先輩達もいるので、遠慮したと言うのもあるだろう。
そう言う透也の方も、女の子といる様なので、別に不都合は無いみたいだけど。
カバンから弁当と取り出すと、僕は弁当を持って屋上へと向かった。
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弁当を持って、屋上に出ると。
もう姉さん達が、長椅子に座って待っていた。
「ゆうくん、待ってたよ」
小さな弁当箱を膝の上に置いて待っていた、姉さんが、僕を見ると嬉しそうに微笑んだ。
「もお、おそいよ」
「優くん、こんにちは」
「あ、由衣先輩、こんにちは」
僕の姿を見て瑞希先輩が文句を言い、由衣先輩が挨拶をしたので、僕も返した。
それから、由衣先輩が僕を見ながらニコニコしている。
最初に由衣先輩に会った時は、姉さんの影に隠れて、顔を俯かせて居たんだけど、変われば変わる物だ。
「さあ、早く食べましょう」
僕が長椅子に座ると、姉さんがそう言った。
その言葉に、4人が同時に弁当の包を解いた。
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4人で弁当を食べていると、姉さんがイキナリ僕に。
「ねえ、ゆうくん、この出汁巻き玉子はどう?」
と言って来た。
ちょうど、僕が出汁巻き玉子を食べている所だった。
「うん、甘すぎず、塩辛過ぎず、ちょうど良い味加減だよ」
僕がそう言うと、姉さんが。
「じゃあ、私のも食べて良いよ」
そう言いながら、箸でつまんだ玉子を僕に突き出してきた。
「それは、姉さんのじゃあ・・・」
「いいの、はい、あ〜ん」
「パクっ」
断ろうとしたが、姉さんが僕の口元に強引に突き出したので、仕方なく僕はその玉子を食べた。
その光景を見ていた、瑞希先輩と由衣先輩が目を見開いている。
姉さんのオカズが少なくなったのに、申し訳なくなった僕は、姉さんの好物のミニハンバーグを摘むと、姉さんに突き出した。
「ねえ、姉さんのオカズが少なくなったから、姉さんの好きなミニハンバーグを食べて」
「え、いいよ、私は」
「はい、あ〜ん」
「パクっ」
最初、姉さんは断っていたが、逆に姉さんの口元に突き出したら、渋々ながらハンバーグを食べた。
それを見ていた、瑞希先輩が目を見開いたまま、口をアングリと開き。
由衣先輩は、目を見開いたまま、箸を持った状態で、両手で口元を押さえている。
「「相互間接キス・・・」」
二人が何かつぶやいている様だが、僕には全く聞こえなかった。