第59話 魅惑の水着
僕達は、電車に乗り、海水浴場にやって来た。
駅から、歩いて海水浴場に来ると、まずは、着替える為の海の家を探して、それから、着替え始めた。
僕と、蓮先輩が男だから、すぐに着替えると、外で姉さん達を待っていた。
「姉さん、遅いなあ、いつもの事とは言え」
「やっぱり、君の所もそうなのかい」
「と言う事は、先輩も?」
「うん、まあ、いつも妹の着替えを、待つ事が多いね」
「女姉妹の所は、みんな、そうなんですね〜」
僕と、蓮先輩が二人でそんな事を話していると、
「ゆうくん、お待たせ〜」
姉さん達が、店の奥から出てきた。
姉さんは、シンプルな白のワンピースで、胸元や、背中の露出が控えめだけど、その分、清楚さが引き立てられて、とっても良く似合ってた。
「ゆうくん〜、とうしたの?」
「あ、別に何でもないよ」
姉さんに言われるまで、僕は朝と同じく、姉さんに見惚れていた。
「それに、蓮くんもどうしたの?」
「ああ、ごめんごめん」
隣を見ると、どうやら蓮先輩も、姉さんに見惚れていたみたいだ。
それに気付くと、また、意味もなく”ムッ”としてしまった。
「ねえ、優くん、どう・・・、かあ?」
いつの間にか、僕の前に、由衣先輩がやって来ていた。
由衣先輩は、ヒラヒラしたスカートが付いた、ファンシーな柄のワンピースに身を包んでいた。
その姿は、先輩らしくて、とても可愛かった。
いつものお下げ髪は解き、眼鏡をはずしていたので、本来の美しさが出てくる事が、それに拍車をかけていた。
僕は、そんな先輩に、
「由衣先輩、今日の服も可愛かったけど、水着も可愛いですね」
と言うと、先輩が、
「本当・・・、なの・・・」
そう言って、赤く染めた顔を、イキナリ近づけて来た。
「せ、先輩、顔が近いですよ・・・」
「あ! ごめんなさい!」
由衣先輩が、僕の言葉に、一歩後ずさった。
「・・・眼鏡してないから、どうしても、顔を近づけてしまうの・・・」
そう言って、先輩が俯く。
あ〜、ビックリした、姉さん以外の女の子に、あんなに接近する事なんて無いんだよね。
何て言うか、キス・・・。
うあ〜、妄想やめ、妄想やめ。
「あ〜、ごめん、ごめん、待たせたね」
僕が妄想に悶えていると、呑気な様子で、瑞希先輩が出てきた。
瑞希先輩は、トロピカルな柄のビキニで、かなりの露出度を誇っていた。
その姿に、僕と蓮先輩が唖然としていると、
「ふふ〜ん、そんなに私の姿が魅力的なの〜♪」
そう言って、ポージングをした。
瑞希先輩は、スレンダーで、モデル体型な上、美人なのだ。
普段なら、モテそうなのだが、性格に難があるので、男子から敬遠されているらしい。
女性陣が、三者三様の美人ばかりなので、僕と蓮先輩がいなければ、どうなっていたのか?
恐らく、狼の群れの中に、羊を放り込む様な事態に、なっていたのだろう。
「こんな所に、いつまでもボ〜としてないで、早く泳ぎに行こう〜」
動く気配も見えないみんなに、瑞希先輩がそう急かした。
こうして、瑞希先輩を先頭に、僕達は、海へと向かった。




