表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/105

第55話 悪友と海水浴へ

 「ワァオ〜、海だあ!」



 透也が海を(正確には、水着の女の子を)見て、みっともない声を上げた。


 今日は、透也の発案で、海水浴にやって来た。


 昨日の夜に、透也から電話があって。


 ・・・



 ****************




 部屋でユックリとしていたら。



 「”チャ〜ン♪ チャラララ〜ン♪ チャラララ〜ン♪”」



 あれ、携帯の着信が鳴っている?




 「もしもし」


 「”おう、優かあ”」




 あれ、透也からだ、何かな。




 「あれ、どうしたの?」


 「”優、明日、海水浴に行かないか?”」


 「ん、どうして?」


 「”いや、ナンパしようと思うんだが、行くメンバーに、色んなタイプを揃えたくてな。

例えば、お前みたいな、大人しそうな娘に受けそうなの、入れたいんだよ”」


 「え、ええ〜っ、ダメだよ〜」


 「”いや、そこを何とかー! 頼むー!”」

 




 何かと思えば、ナンパなのか?


 はあ、透也らしいと言えば、透也らしいなあ。


 余り、気が進まないが、透也の顔を立ててやるか。




 「はあ〜、分かったよ、行ってやっても良いよ」


 「”悪りい、恩に着るよ”」


 「で、明日、何時なの?」


 「”明日、10時に学校前の駅で集合だ”」


 「じゃあ、明日10時だね」


 「”それじゃあ、頼んだぜ”」




 そう言って、透也が電話を切った。


 はあ、取りあえず海水浴に行くとだけ、姉さんには言っておくか。


 ナンパだなんて、知ったら、姉さん反対するだろうし。


 それから僕は、姉さんの部屋へと向かった。




 ****************




 ・・・


 そんな訳で、今日は僕も含めて、男4人で来ている。


 透也以外の残りの二人は、何と言うか、透也の同類である。


 確かに、これでは、女の子は警戒するだろう。


 と言うか、色んなタイプが、いないんじゃないか?


 そう思っていると、3人がそれぞれ勝手に、ナンパを始めた。


 あ、透也が、派手な水着を来た、女の子2人組にアタックした。



 「グワッシャ!」



 そう思った途端、透也が女の子から、パンチを(もら)い、吹っ飛ばされた。


 倒れた透也が、倒れながら痙攣(けいれん)している。


 他の2人を見ても、やはり同様の状況である。


 関心が無い僕は、遠くで、そんな3人の屍を(なが)めていた。



 ・・・



 そんな、透也達3人の、無駄な努力を見ていたら。



 「ねえ、君、どうしたの」



 振り返ると、20代前半くらいで2人組の、いかにもOL風のお姉様方がいた。



 「あ、いえ、連れがナンパを失敗して、醜態(しゅうたい)(さら)しているのを、見ていたんですよ」



 僕が、呆れた風に言うと。




 「君はどうなの?」


 「そう、何でこんな所にいるの?」



 

 そんな事を、聞いてきたから。



 「いえ、あんなみっともない事なんか出来ないから。

ここで、見物しているんですよ」



 最初から興味が無い僕が、呆れながら、そう答えると。



 「ねえ、君、可愛いから、お姉さん達と遊ばない?」

 


 そう、ウェーブが懸かった長い髪に、面積の狭い、黒いビキニのお姉さんが、言ってきた。



 「うん、君なら、下心が無さそうだし、安心できるから」



 今度は、背中と胸元が大きく開いた、白いワンピースを着た、セミロングのお姉さんが、僕にくっ付きながら、そう言った。



 「え、えええ〜!」



 大人の女性らしく、メリハリの効いた体が、僕に密着すると、その豊かな胸が僕の体で押しつぶされる。


 その柔らかな感触に、僕の頬が熱くなった。



 「あれ〜、赤くなってる〜、可愛い〜♪」



 そう言いながら、黒ビキニのお姉さんが、細くてしなやかな指で、僕の頬を撫でる。



 「ねえねえ、喉が乾いたから、あそこに行こう」



 ワンピースのお姉さんが、僕の左腕に腕を(から)めながら、近くの海の家を指差した。



 「そうそう、あそこで、お姉さん達と話をしましょ♪」



 今度は、黒ビキニのお姉さんが、僕の右腕に腕を絡めてきた。



 「ええっ、ちょっ、ちょっとぉ〜」



 こうして僕は、お姉さん方に、両サイドから腕を掴まれた状態で、引きずられる様に、海の家へと向かったのである。


 後には、轟沈した、透也達の屍を残したままで・・・。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品同様、姉弟のイチャイチャした作品です。
砂糖づけ姉弟
こちらも姉弟のイチャイチャした、星空文庫の読み切り作品です。
猫姉と犬弟
新年のコタツの中で〜寝ている姉にいたずらする〜
寒い冬の夜の出来事〜弟の布団に姉が無断侵入〜
あと、もう少しだから……
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ