表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/105

第52話 暗躍(あんやく)する親友

今回は、瑞希視点の話です。

 「・・・て、そう言う事なんだけど」


 「え、そうだったの」




 華穂が蓮と、楽しく、おしゃべりをしている。


 ナカナカ良い感じだ。


 このまま、二人がくっ付けばとも考える。


 蓮は小さい頃から知っている、まあ、俗に言う、幼なじみって奴だけどね。


 同じクラスになるのは、何年ぶりだろうか。


 久しぶりに、ずっと同じクラスにいると、蓮が、よく華穂の方を見ている事に気付いた。



 「(は、は〜ん、なるほど♪)」



 試しに、蓮にカマを掛けてみたら、アッサリ白状した。


 やはり、(にら)んだ通り、蓮は華穂に気があるようだ。


 それで、蓮に、色々とアドバイスする事にした。



 ・・・



 それに、華穂を弟以外の男に目を向けさせる良い機会だ。


 あの娘のブラコンぶりは、ホントに異常である。


 このまま行くと、本当に一線を越えてしまうかもしれない。


 かと言って、相手が誰でも良いって言う訳にはいかない。


 特に、以前、あの娘に言い寄って来た、ロクでもないヤツらは論外だ。


 乱暴に扱われるか、浮気をされて悲しませるかどちらにしろ、不幸にしかならないのが、目に見えてしまう。


 それに比べたら、蓮だったら、小さい頃から知っているが、そんな事をするような奴じゃない。


 それに、私は昔からの付き合いで何も感じないが、周りが言うには、蓮は成績優秀な上、イケメンだとか。


 どうやら他のクラスでも、フアンがいるみたいだ。


 私たちが幼なじみなのを、羨ましむ声があるが、しかし、昔から知っているから、別に何とも思わない。


 そんな事を思いながら、二人を眺めていた。




 ****************




 しばらくの間、二人を眺めた後、私の左隣で、我関せず黙々と自習をしてる、由衣を見た。



 「(この娘も、やっと季節外れの春が来たのかな)」



 由衣も、本当は華穂と同じくらい可愛いのに、内気で、引っ込み思案な所為(せい)か、目立たなく、野暮ったい格好をしている。


 なので、本当の由衣を男どもは知らないのだ。


 その為、華穂に言い寄る男どもから、無視されたり、中には、明らさまな侮蔑(ぶべつ)の視線を送る奴さえいた。


 当然、そんな失礼な奴には、私流の教育的指導を(ほどこ)したが(笑)。


 そんな目に合っている、由衣を見ていて、見る目の無い男ばかりだと嘆いていた。



 ・・・



 そんな中、始めて優くんと会った。



 「えっと、高宮先輩ですよね、そう言えば、会うのは初めてですよね」



 私は、電話なんかで話をした事があるが、会うの始めてである。


 何回か話をしているので、どう言う子かと言うのは何となく分かっていたけど。


 流石に、地味だけど姉弟だけあって、華穂似の可愛い子である。


 でも、私は年下は趣味では無いから、それ以上の感情は湧いて来ない。


 だけど、とても良い子である事には間違いない。



 「平尾先輩ですね、よろしくお願いします」



 由衣は相変わらず、私の後ろの方で、半分隠れる様に俯いていたのだけど。

彼は、そんな由衣に、優しく、語りかけるように自己紹介した。



 「(へえ〜)」



 由衣に、語りかけている彼を見て、私は感心する。


 それから、優くんは、由衣に会うごとに、根気強く語りかけ続けた。


 それと共に、由衣の表情から緊張が消え、笑顔が表れるようになって行く。


 なる程、さすが華穂の弟だけあって、あの連中とは全く違うなと思った。



 ・・・



 優くんとあってから、しばらくすると、由衣の様子が変わった。


 帰りに優くんと一緒に帰るときに、彼の事をジッと見詰めたり。


 時折、彼の事を話す時の由衣の様子が、夢見る様にしていたり、あるいは、とても嬉しそうにしていたり。


 明らかに、恋している乙女と言った感じである。


 このまま、こちらもくっ付けば良いと思った。


 やっと、由衣も自分の事を受け入れてくれる、男の子が出来たことだし。


 それに、優くんも華穂に負けず劣らずのシスコンである。


 彼の方も、このままではイケない。


 この危ない姉弟を更生させなければならない。


 両方とも、このままいけば、親友二人がハッピーになり、危ない姉弟も更生させられる。


 それに、蓮の奴も幸せになる事だし。


 そうなれば、全て上手く行く。



 「(ふうっ)」


 

 私は、両サイドを見て、心の中で溜め息を付いた。


 このまま両方とも、上手く行くように立ち回ろうと、両サイドを見ながら私は思っていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品同様、姉弟のイチャイチャした作品です。
砂糖づけ姉弟
こちらも姉弟のイチャイチャした、星空文庫の読み切り作品です。
猫姉と犬弟
新年のコタツの中で〜寝ている姉にいたずらする〜
寒い冬の夜の出来事〜弟の布団に姉が無断侵入〜
あと、もう少しだから……
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ