第48話 終業式の日
今回は、いつもより少し長めです。
今日は、一学期最後の日だ。
それで、今は体育館で、終業式が行われていた。
お約束通り、校長先生の長い話が続いている。
長ったらしい話に、思わずアクビが出そうになる。
何気なく、ふと、姉さんの方を見ていると、
「(フラッ、フラッ)」
姉さんの様子が、何かおかしい。
倒れなければ良いが・・・。
そんな心配をしながら、相変わらず長ったらしい話を聞いていた。
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そんな、こんなで、何とか、終業式が終わった。
姉さんは、とりあえずは、倒れなかった。
全校生徒が、自分のクラスに戻ろうと、移動している。
そんな中、僕は念のために、姉さんの方に行ってみる事にした。
姉さんの所に行こうとした時、突然、姉さんが倒れ始めた。
「姉さん!」
僕は、ダッシュで姉さんの所に駆け出した。
しかし、人ごみに阻まれ、ナカナカ行けない。
そうして、姉さんが床に倒れるかと、思われた時。
「(ガシッ)」
一人の男子生徒が、姉さんを受け止めていた。
誰かと思えば、この間(第44話参照)、姉さんと楽しく会話していた人だ。
その男子生徒が、姉さんをお姫様抱っこすると、そのまま体育館の外に運び出した。
恐らく、保健室に行ったのだろう。
立ち尽くしている僕の側に、瑞希先輩と由衣先輩が近づいてきた。
「優くん・・・、多分、貧血だろうと思うけど」
「取りあえず、保健室に行ってみよう」
由衣先輩がそう言うと、瑞希先輩が行くように誘った。
「じゃあ、俺が、先生に言っとくよ」
「透也、ありがとう」
後ろから、透也がやって来て、僕にそう言ってきた。
取りあえず、自分の方は、透也にお願いした。
「優くん、早く行きましょ」
前にいる瑞希先輩が、そう言って僕を急かした。
瑞希先輩の言葉と同時に、僕たちは、人波に阻まれながらも、保健室へと急いで向かった。
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「ガラッ!」
「姉さん!」
保健室が見えると、思わず駆け出して、保健室の扉を思いっきり開けた。
「シーっ、静かに、今、寝てるから」
そう言って、僕の目の前にいる、男子生徒が人差し指を口に当てると、僕にそう言った。
「あ、すいません・・・」
今いるのが、保健室だと言う事を思い出した、僕は。
その男子生徒に、謝った。
目の前にいる男子生徒は、姉さんを運んだ人だと、その時気付いた。
「大橋さんは、軽い貧血だから、少し横になると良いて、校医の先生が言っていた」
周りを見るが、校医の先生は、職員室の方に用事で居ないみたいだ。
「あの、姉がお世話になりました」
とりあえず、僕は目の前の男子生徒にお礼を言った。
「あ、いいから、いいから、大事じゃなくて良かった」
「どうもありがとうございます、僕の名前・・・」
「知っているよ、優君だろ」
え、どうして、僕の名前を・・・。
「だって、良く、ウチのクラスに来るし。
それに、3年の女子の間では、"弟にしたいNO1”の1年だって、知ってた?」
「えええっ〜!」
「おっと、保健室だよ」
「すいません」
僕が驚くと、すぐに注意された。
「僕は、井尻 蓮って言うんだよ」
「井尻先輩ですか」
「蓮って言ってほしいな」
「じゃあ、蓮先輩」
僕と蓮先輩がお互い、そんな事を言い合っていた。
「蓮、ご苦労様」
そう言いながら、瑞希先輩が保健室に入って来た。
「あれ、二人は知り合いですか?」
瑞希先輩の言葉を聞いて、僕は尋ねてみた。
「まあね、蓮とは、小さい頃からの知り合い。
俗に言う、幼なじみって奴かな。
まあ、十数年来の腐れ縁だけどね」
瑞希先輩が答えると、蓮先輩がそれを聞いて苦笑した。
「それじゃあ、僕は、もう戻るから」
「蓮、ありがとう」
蓮先輩がそう言うと、保健室を出て行った。
蓮先輩が出ていくと、僕はベッドを仕切るカーテンを静かに開くと、眠っている姉さんの枕元に、丸椅子を引いて座る。
「どうやら、大事無さそうだし、私たちは戻るけど、優くんはどうする?」
「もう少し、姉さんの側にいます」
「なるべく、早く戻った方が良いよ」
瑞希先輩がそう言うと、僕がそんな風に答え、それを聞いた、由衣先輩が早く戻るように忠告した。
それから二人は、保健室から出ると自分のクラスへと戻って行く。
二人が出たのを確認すると、僕は、寝ている姉さんを見ていた。
それから、しばらくの間、寝ている姉さんの姿を見ていたのであった。




