第47話 夏休みはどうするの?
期末試験が終わった夜。
夕食が終わって、二人で洗い物した後、僕はいつも通り居間でリラックスしているが。
姉さんの方は、勉強する前に何か話があるようだ。
「ゆうくん、これから、お父さん、お母さんに電話してみるけど何かある」
「ん、僕の方は特に無いけど」
「そう、私の方は、夏の予定の事にしなければならないから」
あ、そうか、姉さんは夏休みの間、予備校に行かないとイケないから、一応連絡しないと。
今年の夏は二人とも、父さんの仕事が立て込んでいる関係で、帰れないのが分かっている為、特に連絡をしないければならない。
「じゃあ、今から連絡するからね」
そう言いながら、姉さんが、電話を掛けたのだ。
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電話が終わると、姉さんが戻ってきた。
「電話をしたら、お母さんが出て、ちょうどお父さんを送り出した所だって」
まあ、時差を考えると、そんな時刻だろうね。
「お父さんには帰ってから話すけど、基本的に問題無いって」
姉さんがそう言いながら、ソファーに座っている僕の、後ろから首に抱き付いてきた。
「ねえ、ゆうくんは、夏休みはどうするの?」
う〜ん、そうだな、どうしようかな、特に考えてないなあ。
「今の段階では、何も決めてないよ。
何か、悪いね、姉さんが受験なのに、側で遊んでる形になって」
僕は、姉さんにそう言った。
しかし、姉さんは、
「ううん、去年、ゆうくんは結構、勉強してたじゃないの。
去年の分まで、羽を伸ばせば、良いよ」
と、言ってくれた。
そうなのだ、去年の今頃、僕は、姉さんと一緒の学校に行くために、もの凄く、勉強していた。
本来なら、合格するかどうかギリギリの所を、かなり無理をしておかげで、何とか合格する事が出来たのだ。
その時の事を、姉さんは良く知っていた。
「でも、せっかくの高校生活だもの、思い出に残る事をした方が良いよ」
姉さんがそう言うと、僕を抱く力を強めつつ、僕の頭に頬を付けた。
「でも、姉さんが受験が無かったら良かったな。
そうしたら、一緒に、夏休みが楽しめたのに」
僕がそんな事を言うと、姉さんが僕の頭を頬ずりし始めながら。
「そうだね、せっかく同じ学校になれたけど。
だけど、こればかりは、仕方がないよ」
そう言った。
・・・
そうして、しばらくの間、姉さんが僕の頭に頬ずりをしていると、
「ゆうくんって、男の子だけど、余り、汗臭くないね。
私に、気を使っているからかな?」
僕の頭を嗅ぎながら、そんな事を聞いてきた。
「確かに、姉さんに多少、気を使っているけど。
そんなに、神経質になる程でもないけどね」
僕は姉さんにそう答えると。
「匂いもだけど、頬っぺたもツルツル、プニプニして、男の子にして置くのが勿体ないよ」
姉さんが、頬を移動させると、僕の頬とくっ付け。
こんどは、僕の頬に頬ずりをし始める。
それと同時に、僕の首に廻した手を、顎の方から伸ばすと、僕の頭を、撫でていた。
その状態のまま、姉さんが、更に僕を頬ずりし続けていたのであった。




