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第45話 試験勉強2

 その日の放課後。



 放課後になった。


 いつもだと、姉さん達を一緒に帰る所だけど。


 今日は試験前で、一緒に図書室で少し勉強することになっていた。


 本来は、姉さん達の勉強で、僕は別に一緒にいる必要は無いが。


 ついでに僕も、一緒に勉強する事にした。


 そんな訳で、僕達は、図書室へと向かっていた。




 ***************




 「ガラッ」



 入り口の扉を開くと、静かに図書室に入る。


 静まり返った図書室の中を、僕達は、大きな音を立てずに進んだ。


 図書室に入って、少し経った所で。



 「この辺りに座ろっか」



 瑞希先輩が、図書室の一角にある、適当なテーブルを見つけると。

そう言って、3人に座るように(すす)める。


 瑞希先輩の言葉を受けて、3人が椅子に座ると、それぞれ勉強を開始した。



 ・・・



 「う〜ん〜」



 僕は、しばらくの間、勉強をしていたが。


 やっている内に、どうにも(わか)らない問題が、出てきたのだ。


 それで、まずは、向かい側の姉さんに、聞こうとした。


 しかし、姉さんは、瑞希先輩と何やら問題を教え合っている様で、とても聞ける状況ではない。


 僕は、どうしようかと悩んでいた。 



 「どうしたの、優くん?」



 僕がそう悩んでいると、隣に座っている、由衣先輩が僕に(たず)ねてきた。



 「えっと、どうしても解らない所が、あるんですよ」



 僕が、そう答えると。




 「私が教えようか?」


 「え、お願いして、良いんですか」


 「うん、良いよ」




 由衣先輩が、教える様な事を言ったので、僕がお願いすると、由衣先輩がニッコリ微笑みながら、そう言ってくれた。


 と言う訳で、由衣先輩が、僕を教えてくれる事になった。



 ・・・



 「ここは、こうなるの」


 「あっ、そうだったんですね」



 由衣先輩が教えてくれている。


 とても解りやすくて助かる。


 由衣先輩は、僕の教科書を自分の側まで持って行くと、教科書を指して教えてくれている。


 しかし、そうすると、僕も教科書を見ないとイケないので、先輩の手元を(のぞ)き込んでいる内に。

いつも間にか、僕の顔は、先輩の顔の至近距離になっていた。


 先輩に顔が近づくと、女の子の良い匂いが鼻に付くようになった。


 その匂いは、同じ女の子だけど、姉さんともまた違い、それよりも更に甘い匂いだ。



 「で、これだけどね」



 そう言うと、先輩が、頭を上げてこちらを向く。


 すると、至近距離で、お互い見合う形になった。




 「ご、ごめんなさい」


 「いえ、先輩、こっちこそ」




 先輩がそう言いながら(うつむ)き、僕は後ろに下がった。


 ちょっとだけ、気まずい雰囲気になったが、気を取り直すと。

その後は、始めの時と同じように、普通に先輩が教えてくれた。




 ***************




 「みんな、もうそろそろ帰ろうか」



 突然、瑞希先輩が、そう言ってきた。


 時計を見れば、そろそろ、全校生徒下校の時間だ。


 そう思い、3人は、帰る支度をし始めた。




 「由衣先輩、今日はありがとうございます」


 「ううん、お役に立てて嬉しいよ」




 僕は、片付けながら、由衣先輩にお礼を言うと、先輩は嬉しそうに、そう言った。


 そんな二人を見て、姉さんが怪訝(けげん)そうな顔をする。



 「もお、ゆうくん、急ごうよ」



 姉さんが、僕にそう言って、急かした。


 こうして、僕達は、立ち上がると、図書室を出た。



 ・・・



 今日は、梅雨だけど、珍しく雨が振っていない。


 そんな中、学校を出て、通学路を歩いていると。



 「(ニコニコニコ)」



 由衣先輩の機嫌が、何だかとても良いみたいだ。


 それを見た、姉さんが。




 「ゆうくん、一体、どうしたのよ?」


 「う〜ん、別に、解らない所を教えてもらっただけだよ」


 「ふ〜ん、帰ってから、タップリ聞きましょうか」


 「えっ、えええ〜」




 姉さんが、ジト目で僕を見ている。


 帰ったら、タップリ尋問されるんだろうなあ、トホホ。


 家に、帰ってからの事を想像すると、僕は、肩を落としながら、帰るのであった。



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