表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/105

第44話 クラスの男の子

 午後の休憩時間。



 私は、椅子に座り、瑞希、由衣と話をしていると。



 「ちょっと、大橋さん、良いかな」



 私を呼ぶ声が聞こえた。


 声がする方向を見ると、一人の男の子が立っている。


 その男の子は、清潔な髪型で背が高く、そして結構イケメンであり、女子の人気も高い。


 しかし、一番の特徴は頭が良く、ずっと学年一位を取り続けている。


 彼の名前は、井尻(いじり) (れん)君という。


 そんな彼が、私を呼んでいる。



 「あっ、そうだったね」



 私は、彼の用件を思い出して、席を立った。


 そんな彼を見て、瑞希は親指を立てて、ニヤリと笑う。


 蓮君は、瑞希のそんな行動を見て、苦笑している。


 私は、二人のやりとりを見て、頭に?マークを浮かべていた。



 「それじゃあ、遅くならない内に、行こうか」



 彼の、その言葉で、教室を出発した。




 ****************




 「ふう、流石に量が多いね」



 そう言って、彼が、教材を教室に運んだ。


 私達は教室に、次の授業の資料を運んでいたのである。


 今日、二人は、日直であるので、それで運んでいる。



 「でも、全部持たなくても・・・」



 私は、彼にそう言った。


 彼は、全員分の資料を全部持っていたからだ。



 「そのほうが、大橋さんが楽が出来るでしょ」



 彼が、笑いながら、そう言った。


 私は、彼のその笑みを見て、心が(おど)った。


 私は、基本的に、男の子が苦手だ。


 なぜなら、私に近寄る、男の子はほとんど、柄が悪いか、チャラチャラした男の子しか来ないからだ。


 しかも話す内容も、あからさまに私を口説こうとするか、自分の事しか話さない。


 なので、ゆうくん以外の男の子は苦手だ。


 そう言う意味では、由衣と同類だけど、私は、笑顔でやり過ごす事が出来るが。

由衣は、私ほど器用では無いので、(うつ)いて黙り込んでしまうのである。


 だけど、蓮君はそうした男の子達をは違って、穏やかな上、清潔で、下心も無くて、私の事を気遣ってくれている。


 そう言う意味では、ゆうくんと似た所がある。




 「どうしたの、大橋さん?」


 「えっ?」


 「何だか、考え事していたみたいだから」


 「ち、違うの、ちょっと、ボンヤリしていただけなの」




 私が、うろたえて答えると、彼が、クスクスと笑った。




 ****************




 「あれ、あれは姉さんかな?」



 廊下を透也と一緒に歩いていると、遠目に姉さんの姿が見えた。


 しかし、姉さんの姿と供に、もう一人男子生徒の姿が見える。



 「へえ、結構、仲が良さそうじゃないの」



 その光景を見た透也が、意味ありげな口調でそう言った。



 「そんなんじゃ、無いだろう。

もし、そんな関係なら、僕に話すはずだから」



 僕は、そう言って、透也の発言を否定するが。


 目の前の姉さんは、何だか楽しそうに、話をしている。


 姉さんの、その姿を見て僕は、何とも言えない苛立ちと不安がない交ぜになった感情が、心に湧き起こっているを感じた。


 そんな感情を抱えたまま僕は、姉さん達の姿が見えなくなるまで、その場で立ちすくしていたのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品同様、姉弟のイチャイチャした作品です。
砂糖づけ姉弟
こちらも姉弟のイチャイチャした、星空文庫の読み切り作品です。
猫姉と犬弟
新年のコタツの中で〜寝ている姉にいたずらする〜
寒い冬の夜の出来事〜弟の布団に姉が無断侵入〜
あと、もう少しだから……
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ