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第34話 一緒の昼食2

 4時限目が終わって、昼休みになった。


 これから屋上で、姉さん達と一緒に昼食を取る所だ。


 しかし、今日はいつもとメンバーが違う。


 なぜなら、



 「へえ、お前は、いつもこんな所で食っているのか」



 今日は、なぜか透也がいるのである。


 理由を聞くと、



 「まあ、たまには良いじゃないか」



 と言うが、恐らく、女の子との約束が、急にドタキャンになったのだろう。


 透也の手には、手作り弁当があるので、本当に、突然の急用みたいだ。



 「あれ〜、透也君、折角の手作り弁当が、楽しさ半減だね」



 瑞希先輩が、そう茶化すと。



 「ほっといてください」



 それに対し、透也がそう返した。


 それから、全員が弁当の包を解き、弁当の蓋をとる。


 ふと、透也の弁当の中身を見た、瑞希先輩が、



 「ふ〜ん、ナカナカ料理が上手そうな娘だね。

今時、そんな娘なんかいないから、大事にしなさい〜」



 暗に、”酷い目に合わせたら、承知しないよ!”と言うメッセージを送った。



 「あははは」



 それを聞いた透也が、冷や汗を掻いていた。




 *****************




 「今日も天気が良いけど、この天気も、今日までだね」


 「うん、明日くらいに、梅雨に入るらしいね」



 由衣先輩がそう言うと、姉さんがそんな風に答えた。



 「じゃあ、明日から、食堂になるのかぁ」



 横から、瑞希先輩がそんな事を言った。


 僕達は普段、天気が良い日は屋上で食べるけど、悪い日は、食堂で食べるのである。


 そんな中、僕は、姉さんが出汁巻き玉子に食べていたのが、目に入った。



 「姉さん、どうかな味は」


 「うん、ナカナカ美味しいよ」



 姉さんが、そう答えた。




 「ん、どうしたの?」


 「今日の、お弁当、ゆうくんが作ってくれたの」


 「(うらや)ましいなあ」




 瑞希先輩が尋ねたので、姉さんがそう言うと。

それを聞いていた由衣先輩が、ボソリとそんな事を言った。


 本当に、美味しそうに食べている姉さんを見て、僕は、



 「じゃあ、姉さん、これも食べて」



 と、玉子を箸で摘み、姉さんに持って行く。




 「それは、ゆうくんのじゃあ・・・」


 「はい、あ〜ん」


 「あ〜ん」




 躊躇(ちゅうちょ)する姉さんの口元に、玉子を強引に持って行くと、渋々と、姉さんが”あ〜ん”をしてくれた。


 それを見ていた、透也が目を見開き、瑞希先輩と由衣先輩が溜め息を付いた。


 玉子を食べ終えた姉さんが。



 「ねえ、ゆうくん、ゆうくんのオカズが少なくなったから、これをあげる」



 そう言って姉さんが、僕にミニハンバーグを箸で摘んで、僕の前に持ってきた。




 「でも、それは、姉さんの好物じゃあ・・・」


 「はい、あ〜ん」


 「あ〜ん」




 今度は、僕の口元に、ハンバーグを強引に持って来たので、仕方なく、”あ〜ん”をした。



 「相互間接キス・・・」



 それを見ていた、透也が口をアングリと開いて、そうつぶやき。


 瑞希先輩と由衣先輩は、首を横に振ったのだった。



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