第32話 休日の二人
ある日曜日。
今日は休みなので、家の片付けをしている。
両親が揃って、海外赴任しているので、家の事は僕達がしないといけない。
そんな訳で分担して、家の事をしている所だ。
僕が、姉さんの部屋を除いた家の掃除、姉さんが、洗濯をしている。
言うまでもなく、姉さんが洗濯しているのは、僕が姉さんの下着を扱う訳にはいかないからだ。
「ガ〜〜」
僕は今、掃除機を引っ張りながら、家中を掃除している。
掃除機を掛けたら、次は家具とかを拭いて・・・。
とにかく、やらないといけない事が多い。
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「ふうっ」
一通り、掃除が終わり、居間で休んでいた。
姉さんも、洗濯が終わり、隣に座っている。
「はあ、終わったね」
姉さんが、疲れた様に言った。
姉さんも今年は受験だから、掃除も、僕が全てやれば良いけど。
洗濯ばかりは、僕がやる訳にはいかない。
今日は、僕も疲れたから、夕飯は簡単に作れる物にするか。
僕が、そんな事を考えていると。
「ゆうくん、お疲れ様」
ねえさんが、そう言って僕を労った。
「姉さんこそ、ご苦労様です」
しかし、僕もそう言って、姉さんに返した。
それから、二人はしばらくの間、お互い見合った後。
「ふふふっ」
「はははっ」
イキナリ吹き出した。
「ふふふっ、頑張ったゆうくんに、ご褒美をあげるね」
姉さんがそう言うと、突然立ち上がり、僕に飛び付いた。
それから僕の頭を抱くと、後ろの方に倒れ込む。
「〜〜〜」
姉さんに、のし掛かる形になった僕は、突然の事にパニックになった。
後ろに倒れ込むと、姉さんは、僕を抱き締める腕の力を緩め、僕の頭を優しく撫で出した。
「前から思っていたけど、ゆうくんって、全然臭くないんだよね」
姉さんが頭を起こして、僕の頭の匂いをかいだ。
「だから、ゆうくんに抱き付きたくなるんだよ」
それから、僕の頭に頬ずりをする。
・・・
「ほら、ほら、足をソファーに乗せて」
姉さんが、しばらく僕を頬ずりした後、そう言うので、僕はソファーの足を乗せた。
それから、姉さんもソファーに足を乗せる。
そうすると自然に、二人はソファーに寝転がる形になった。
しかも、姉さんに抱き締められた状態で。
「ゆうくん、気持ち良い?」
姉さんがそう言うので、
「うん・・、お姉ちゃん気持ち良いよ・・・」
僕は、消え入りそうな声で答えた。
その答えに満足したのか、次に姉さんは、僕の背中を撫で始める。
姉さんのその愛撫を感じていると、眠る様な安心感に包まれて行く。
「・・・」
その安心感に包まれている内に、いつの間にか僕は、姉さんの胸に顔を押し付けていた。
「ふふふっ」
そんな風に姉さんに甘える僕を、小さく笑いながら、姉さんが背中を撫で続けている。
こうして僕は、姉さんからご褒美を貰ったのであった。




