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第27話 湯上がりのハプニング

 夕食が済み、いつもの様に僕は、居間でテレビを見ながら(くつろ)いでいた。


 姉さんはと言うと、先に風呂に入っている。


 最近では、先に風呂に入り、それから受験勉強をしているみたいだ。


 そして、そのまま、ベッドに入り寝る様である。


 僕も後2年もしたら、そうなるんだろうな。


 でも、姉さんは、成績優秀だから、大丈夫だろう。


 ちなみに、姉さんは、とある大学の推薦入学枠を狙っていた。


 まあ、姉さんの事だから、よほどの事が無い限り、問題無いだろうけど。


 そんな事を思いながら僕は、テレビを見ていた。




 ****************




 「もうそろそろ、上がる頃だろうな」



 ふと、僕は時計を見て、独り言を言った。


 いつもの様に、姉さんの髪を乾かしてやらないとイケない。


 そう思い、自分の部屋に戻ろうとした。


 居間でやれば良いんじゃないかと思うけど、ソファーで座ってするのは、何だかやりずらいので、居間ではやらないのだ。


 おもむろに、ソファーから立ち上がると、自分の部屋へと向かった。



 ・・・



 風呂場の前に差し掛かると、急に風呂場のドアが開いた。


 あれ、思ったより、早いなあ。


 そう思っていたら、姉さんが出てきた。


 出てきたと思った、姉さんを見て、僕はビックリした。


 姉さんは、裸のまま、バスタオルを巻いた状態だった。


 頭には乾かす為のタオルが巻かれており、手には本来、着るはずだったパジャマを持っていた。




 「ね、姉さん、ど、どうしたの?」


 「・・・うん、替えの下着を忘れてたの」




 僕は姉さんの格好をみてキョドり、姉さんは下を向いて恥ずかしそうにしていた。


 そして、姉さんが慌てた様に、僕の横をすり抜けようとした、その時。

姉さんがイキナリ、バランスを崩した。



 「キャーッ!」



 とっさに僕は、姉さんに腕を伸ばし捕まえ、それから、姉さんを自分の方に引き寄せる。


 しかし、引き寄せている最中に、姉さんが巻いていたバスタオルが解けて落ちた。


 自然、僕は裸の姉さんを抱き止める形になった。



 「「あっ!」」



 僕達二人は、今の状況に同時に声を上げた。


 裸の姉さんが、僕の腕の中にいる。


 胸板に当たる、柔らかい感触がいつもと違う。


 いつもは、服越しに感じる柔らかさが、直に接触している分、より柔らかく感じられる。


 僕はそんな、不謹慎な事を思っていると、姉さんが、慌てたように僕から離れた。


 そして、しゃがんで解けたバスタオルや、パジャマをかき集めると、それで自分の前を隠し、そのまま、二階へと駆け上がって行った。


 だが、僕は、姉さんが掛けて行く時に見えた、姉さんの裸の後ろ姿に、目が釘付けになっていた。


 姉さんの白い背中は、水着の時や、背中が開いた服なんかで見たことがあるが、あんなに背中全体を見たことは無い。


 それよりも、目に焼き付いたのは、丸いお尻である。


 幼い頃は、良く一緒に風呂に入っていたのだが、その頃とは全く違っていて。

細い腰に、大きく丸いお尻、特に、背中からお尻にかけてのヒップラインに、僕の胸は大きく高鳴ってしまった。


 すでに、姉さんの姿は無くなっていたのだが、僕は姉さんが居た場所から目が離れなくなっていた。




 ***************




 「コンコン」


 「どうぞ〜」




 あの後、僕は姉さんが来るかどうか分からないけど、一応、部屋で待機していた。


 すると、予想に反して、姉さんがやってきた。


 ドアのノックの音に、姉さんに許可を出すが、その声は固かった。


 ドアが開くと、姉さんが入ってきたが、姉さんは顔を赤くしたまま(うつむ)いていた。



 「・・・」



 姉さんは、無言のまま、ベッドに座り、その背後に僕が座った。


 姉さんの背後に座ると、目に姉さんの背中とお尻が飛び込んだ。


 普段なら、何ともないだろうが、あんな事が有った後だと、もの凄く意識してしまう。


 しかし僕は、その事を無理やり意識から()らすと、姉さんの頭にだけ集中するようにした。




 「ゴ〜ッ」


 「・・・」


 「・・・」




 普段なら、多少なりとも会話があるのだが、今日は二人とも無言で。

部屋には、ただドライヤーの音だけが聞こえるだけであった。



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