第27話 湯上がりのハプニング
夕食が済み、いつもの様に僕は、居間でテレビを見ながら寛いでいた。
姉さんはと言うと、先に風呂に入っている。
最近では、先に風呂に入り、それから受験勉強をしているみたいだ。
そして、そのまま、ベッドに入り寝る様である。
僕も後2年もしたら、そうなるんだろうな。
でも、姉さんは、成績優秀だから、大丈夫だろう。
ちなみに、姉さんは、とある大学の推薦入学枠を狙っていた。
まあ、姉さんの事だから、よほどの事が無い限り、問題無いだろうけど。
そんな事を思いながら僕は、テレビを見ていた。
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「もうそろそろ、上がる頃だろうな」
ふと、僕は時計を見て、独り言を言った。
いつもの様に、姉さんの髪を乾かしてやらないとイケない。
そう思い、自分の部屋に戻ろうとした。
居間でやれば良いんじゃないかと思うけど、ソファーで座ってするのは、何だかやりずらいので、居間ではやらないのだ。
おもむろに、ソファーから立ち上がると、自分の部屋へと向かった。
・・・
風呂場の前に差し掛かると、急に風呂場のドアが開いた。
あれ、思ったより、早いなあ。
そう思っていたら、姉さんが出てきた。
出てきたと思った、姉さんを見て、僕はビックリした。
姉さんは、裸のまま、バスタオルを巻いた状態だった。
頭には乾かす為のタオルが巻かれており、手には本来、着るはずだったパジャマを持っていた。
「ね、姉さん、ど、どうしたの?」
「・・・うん、替えの下着を忘れてたの」
僕は姉さんの格好をみてキョドり、姉さんは下を向いて恥ずかしそうにしていた。
そして、姉さんが慌てた様に、僕の横をすり抜けようとした、その時。
姉さんがイキナリ、バランスを崩した。
「キャーッ!」
とっさに僕は、姉さんに腕を伸ばし捕まえ、それから、姉さんを自分の方に引き寄せる。
しかし、引き寄せている最中に、姉さんが巻いていたバスタオルが解けて落ちた。
自然、僕は裸の姉さんを抱き止める形になった。
「「あっ!」」
僕達二人は、今の状況に同時に声を上げた。
裸の姉さんが、僕の腕の中にいる。
胸板に当たる、柔らかい感触がいつもと違う。
いつもは、服越しに感じる柔らかさが、直に接触している分、より柔らかく感じられる。
僕はそんな、不謹慎な事を思っていると、姉さんが、慌てたように僕から離れた。
そして、しゃがんで解けたバスタオルや、パジャマをかき集めると、それで自分の前を隠し、そのまま、二階へと駆け上がって行った。
だが、僕は、姉さんが掛けて行く時に見えた、姉さんの裸の後ろ姿に、目が釘付けになっていた。
姉さんの白い背中は、水着の時や、背中が開いた服なんかで見たことがあるが、あんなに背中全体を見たことは無い。
それよりも、目に焼き付いたのは、丸いお尻である。
幼い頃は、良く一緒に風呂に入っていたのだが、その頃とは全く違っていて。
細い腰に、大きく丸いお尻、特に、背中からお尻にかけてのヒップラインに、僕の胸は大きく高鳴ってしまった。
すでに、姉さんの姿は無くなっていたのだが、僕は姉さんが居た場所から目が離れなくなっていた。
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「コンコン」
「どうぞ〜」
あの後、僕は姉さんが来るかどうか分からないけど、一応、部屋で待機していた。
すると、予想に反して、姉さんがやってきた。
ドアのノックの音に、姉さんに許可を出すが、その声は固かった。
ドアが開くと、姉さんが入ってきたが、姉さんは顔を赤くしたまま俯いていた。
「・・・」
姉さんは、無言のまま、ベッドに座り、その背後に僕が座った。
姉さんの背後に座ると、目に姉さんの背中とお尻が飛び込んだ。
普段なら、何ともないだろうが、あんな事が有った後だと、もの凄く意識してしまう。
しかし僕は、その事を無理やり意識から逸らすと、姉さんの頭にだけ集中するようにした。
「ゴ〜ッ」
「・・・」
「・・・」
普段なら、多少なりとも会話があるのだが、今日は二人とも無言で。
部屋には、ただドライヤーの音だけが聞こえるだけであった。




