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第22話 休み明けの朝

今回は、華穂視点の話です。

 ゴールデンウイークが、終わった後の朝。


 今日から衣替えで、久しぶりに着た夏服は、まだ少し肌寒かった。



 「ふんふん〜♪ ふんふんふん〜♪」



 朝から気分が良い私は、いつも通り、お弁当を作っている。



 「あっ! もうこんな時間か」



 もうそろそろ、ゆうくんを起こさないと。


 その前に、朝食の準備をしてっと。


 それじゃあ、ゆうくんを起こしに行くかな。




 ***************




 「ガチャ」



 ゆうくんの部屋のドアを開ける。


 ベッドを見ると、ゆうくんは、私が起きた時のままだ。


 昨日も私は、ゆうくんと一緒にベッドで寝ていた。


 もう結構、暖かくなっているけど、ゆうくんの感触が忘れられず、またゆうくんのベッドに潜り込んでいた。


 でも、これから、受験勉強の分量が増える様になる。

そうすると、遅くまで勉強をしても良いように、自分の部屋で寝るようにしないと。


 そんな事を考えながら、ゆうくんの側に来た。



 「ふふふっ、相変わらず、可愛い顔だなぁ」



 私は、ゆうくんの顔を覗き込みながら、そうつぶやいた。


 おっとと、ゆうくんを早く起こさないと。



 「ゆうくん、もう時間だよ〜!」



 私は、そう言いながら、ゆうくんを揺すった。



 「んんん〜」



 だけど、ゆうくんは(うな)るだけで、起きる気配は無い。


 それにもメゲずに、更に、ゆうくんを揺する。



 「ほらほら、早く起きてよ!」



 そうすると、ゆうくんがイキナリ腕を伸ばすと。

私を抱き締めると、ベッドの中に引き込んだ。



 「えっ!」



 ベッドの中に引き込まれると。

私は布団の中に、また包まれてしまった。



 「ちょ、ちょっと、ゆうくん〜!」



 私は、布団の中でパニックになった。



 「お姉ちゃん、大好きだよ・・・」



 ゆうくんは、そんな寝言を言いながら、私を抱く力を強めた。


 今日から夏服なので、予想もしなかった、ゆうくんの肌の暖かさが不意を付き。

布団に引き込まれて、高鳴った鼓動を、更に加速させた。


 もお〜! ゆうくん、そんな事をしている場合じゃないよ〜!




 ***************




 それから、しばらくして。




 「姉さん、もっと早く起こしてよ!」


 「ゆうくんが、抱き付いていたからでしょ!」




 ゆうくんが、抱き付いたまま、ナカナカ離れなかったので、思いっきり遅刻してしまった。




 「ほら、急がないと、一時間目が始まるよ!」


 「ちょっと、まってよ、まだ着替えてないよ〜!」 




 もう、ホームルームには間に合わない、もう遅刻は確定している。

でも、せめて、一時間目には間に合わせないと。


 だけど、さっきのゆうくんが、私をベッドに引きずり込んだのは。

何だか、別の意味でドキドキした。


 あのまま、私が抵抗していなかったら、どうなっていたのだろうか?


 そんな事を想像すると、頬が熱くなった。




 「姉さん、どうしたの、顔が赤いよ」


 「もお、ゆうくんは、そんな事はどうでも良いの!」




 ゆうくんが、イキナリ、そんな事を言ってきたので。

私はうろたえて、ゆうくんに、思わず、そう言ってしまった。




 「早くしないと、先に行っちゃうよ」


 「あ〜! お姉ちゃん待って!」




 照れを隠す様に、ゆうくんに、先に行こうとするポーズを見せた。


 こうして、休み明けの朝は、ドタバタしたのであった。



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