第20話 遊園地で遊ぶ(前)
基本的に、この物語は一話完結スタイルですが。
今回は、一話で済まないので前後編に分けました。
それから、三日後。
今日は遊園地に行く日だ。
姉さんは朝からウキウキになっている。
「ねえ、ゆうくん、この服どうかな?」
居間でソファーに座って、姉さんが準備しているのを待っていると。
姉さんが、二階から降りてきた。
ファッションセンスが乏しいので、的確な表現が出来ないけど。
姉さんは、白い膝丈のワンピースと、ピンクのカーディガンと言う。
清潔感のある、姉さんに似合っている服装だった。
「姉さん、とっても似合っているよ」
「うん、ありがとう」
僕の言葉を聞いて、姉さんの機嫌がマスマス良くなる。
そして、姉さんは上機嫌のまま、遊園地へと出発した。
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電車に揺られて30分程すると、目的の遊園地に着いた。
「ねえねえ、ゆうくん、早く入ろっ」
そう言って、入場ゲートの前で、姉さんが僕を急かした。
姉さんがそう言って体を揺すった。
そうすると、腕を組んでいる、僕の肘に柔らかな振動が伝わってくる。
僕は、その事から意識を外す様にしながら。
「分かったから、そんなに急かさないでも良いよ」
そう言って、姉さんを落ち着かせた。
「じゃあ、行こう」
「うん♪」
二人は遊園地の中に入っていった。
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「入って、早々、これなの〜!」
「うん、そうだよ♪」
今、僕達がいるのは、回転ジェットコースターの前である。
入ってすぐ、姉さんはこれに乗るつもりだ。
ふ〜、ジェットコースターの類は余り好きではないなあ。
でも、姉さんの御所望だから、仕方がない。
と言う訳で、姉さんと一緒に乗った。
・・・
「キャ〜♪」
「うわーー!」
・・・
「ゆうくん、面白かったね」
「はははっ」
姉さんはジェットコースターを堪能したが、僕はそれどころでは無かった・・・。
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次は、ジェットコースターの近くにあると言うので、コーヒーカップに乗る事にした。
「わ〜、回る回る〜」
そう言って、姉さんが興奮している。
しかし、僕はイタズラ心と、さっきの仕返しに、コーヒーカップのハンドルを回し出した。
それに連れ、カップの回転する速度が早くなる。
「え、ちょっと、ゆうくん早すぎるよ!」
姉さんがそう抗議するが、それに構わずに僕は回しつづける。
「や、止めて〜!」
・・・
「もお〜、ゆうくん、酷いよ」
「ごめんね、ねえさん」
僕が余りにも、カップを回し過ぎて、姉さんが目を回してしまった。
それで、姉さんを休ませようと、近くのベンチで二人で座ると、姉さんが僕の左肩に寄りかかっていた。
「これで、許して」
「あっ!」
僕は姉さんの肩を抱くと、姉さんの頭が僕の胸板に当たった。
姉さんの頭が僕の胸に移動すると、頭がずり落ちないように右手で受けながら、次に頭を撫でる。
姉さんの頭を、髪を梳る様に撫でていると、姉さんが。
「ゆうくん、もっと撫でて・・・」
と姉さんが僕の背中に腕を廻すと、僕の愛撫を更に要求してきた。
こうして、姉さんの体調が回復するまで、僕は姉さんを撫で続けていた。




