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第2話 2人だけの朝食

 僕の名前は、大橋(おおはし) (ゆう)、高校1年生で、入学したばかりだ。


 姉さんの名前は、大橋(おおはし) 華穂(かほ)、同じ高校の3年生である。


 姉さんは、身内が言うのも変だけど、可愛い系の美人で、成績優秀で才色兼備な上、人当たりが良いので男女問わず人気があるのだ。


 でも、少し天然なのが玉にキズだけど。




 ****************




 僕はベッドから起き、学生服に着替え、それから一階に降りると、台所に向かう。


 台所に入ると、テーブルには、2人分のトーストが皿に置かれており。

それに、空のカップも一緒に置いてある。


 肝心の姉さんはと言うと、電気ケトルを持って、今まさにカップに注ごうとしていた所だ。



 「今、コーヒーを入れるから、ちょっと待ってね」



 姉さんはそう言うと、カップにインスタントコーヒーを入れ、それからお湯を注ぐ。


 姉さんが注ぎ終えると、僕はテーブルに着き。

それと同時に、姉さんも椅子に座った。


 いつも、二人だけで朝食を取っている。


 しかも、朝だけでなく、夕方もそうである。


 なぜなら、僕達の両親は、今、外国にいるのだから。


 本来は、父親の海外赴任であるけど、その赴任先が夫婦同伴の行事などが多いのと、父親が生活能力がゼロである為。

その世話を兼ねて、母親も付いて行っているのである。


 しかし、その赴任する地域は、教育と言う点では、日本並の教育を受けられない所らしいので。

僕等は、日本に残る事になった。




 「はい、スティックシュガー」


 「うん、ありがとう」




 姉さんが、僕にスティックシュガーを2本渡してくれた。


 ちなみに、姉さんは甘いのが好きなので、4本ほど入れている。


 その時、姉さんの手が僕の手に触れた。


 僕は、姉さんの手が、さっきより冷たいのに気付くと。




 「姉さん、手が冷たくなっているよ」


 「今の季節でも、まだ長く水に触れると、手が冷えるのよ」




 もう、4月に入って大分経つのに、朝方はまだ寒い位だ。


 姉さんがそう言ったので、僕は、何気なく姉さんの右手を握った。




 「あ、ゆうくん」


 「姉さん、温めるから、もう片手を出して」




 僕がそう言うと、姉さんが、おずおずともう片手を出した。


 それから、僕は出された、もう片手も握ると、冷えた手を暖める。


 姉さんの小さくて柔らかなだけど、冷え切った手に体温を送り込んだ。



 「・・・ゆうくん」



 姉さんは、頬を少し赤くしながら、僕の顔を見詰めていた。



 ・・・



 しばらくそうしていると、冷えた手が少し暖まった様だ。



 「・・・ゆうくん、早く食べないと冷めてしまうよ」



 黙っていた姉さんが、少し赤い頬のまま、僕にそう言った。



 「あっ! 急いで食べなきゃ」



 僕は姉さんの言葉に気付き、急いでトーストにパクついた。




 ***************




 朝食を食べ終わると、僕は、2人分の食器を持って流しへと向かう。


 姉さんの方は、僕の隣で、2人分の弁当の準備をしている。


 姉さんの手が冷たかったのは、弁当のオカズを作ったりしたからだ。


 そんな姉さんが、ふと僕の方を向いて。




 「ゆうくん、右のほっぺに、ジャムが付いているよ」


 「え、今、手が離せないないから、ちょっと取ってくれない」




 ちょうど、食器を洗っている最中だったので、姉さんにお願いした。



 「うん、今、取るからね」



 そう言うと姉さんの顔が近づき。



 「ペロッ」



 僕の頬を舐めた。



 「ほら、もう取れたよ」



 そう言いながら、姉さんが微笑んだ。


 姉さんに、ほっぺたを舐められた僕は、洗いかけの皿を持った状態で、固まってしまっていた。



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