第17話 休みはどうする?
その日の夜。
夕食を済ませた僕達は、居間でリラックスしていた。
ソファに二人並んで、テレビを見ていると。
姉さんが、不意に僕に尋ねてきた。
「ねえ、ゆうくん、今度の連休は何か予定ある?」
そうなのだ、もう数日すると、ゴールデンウイークに突入する。
取りあえず、一日だけ、透也と繁華街に行く予定はあるのだが。
透也は、それ以外の日は、どうも女の子と一緒に遊ぶ予定らしく。
一日だけは、女の子と行く予定が無い日が有ったので、僕と遊ぶ事になった。
まあ、透也らしいと言えば、透也らしいと言えるが。
「ん、一日だけ、透也と遊ぶ予定はあるけど。
それ以外は、特に予定は無いよ」
僕が姉さんにそう言うと。
「そう、私も、瑞希達と二日ほど、遊ぶ予定があるけど。
じゃあ、ゆうくん、それ以外の日で、私とドコかに遊びに行かない?」
姉さんがそう言って、僕を遊びに誘ってきた。
僕は、それに対しては。
「うん! 一緒にドコかに行こう」
間髪入れずに、そう答えた。
僕がそう答えたのを聞いた、姉さんが、座っていたソファーから立ち上がると、僕のすぐ横に座った。
「ねえ、ドコに行くのぉ〜」
姉さんが、僕の腕に抱き付くと、上目遣いで、僕の顔を覗き込むに様に見上げている。
そんな姉さんの姿を見て、僕は心臓が高鳴っていく。
「えっと、僕は姉さんが行きたい所に行きたいな」
思わず、そんな事を口走ってしまった。
「それなら、ゆうくん、一緒に遊園地に行かない?」
「えっ」
「あ、それとも一緒に繁華街に、お買い物に行く?」
僕が口ごもっていると、姉さんが二ヶ所、候補を上げてきた。
「ねえ、どっちにする?」
「えっと、まあどっちが良いかな・・・」
なおも、僕が決めかねていると、姉さんが顔を近づけて来た。
「もお、しょうが無いな。
どうせ休みは長いんだし、二ヶ所、別々の日に行こうか」
痺れを切らせた姉さんは、とうとう二ヶ所、別の日に行く事を宣言した。
「・・・それで良いよね、ゆうくん?」
そう言いながら、姉さんが僕に顔を近づけると、ねだる様な視線で僕を見詰めている。
「う、うん」
「良かった、じゃあ二ヶ所、別の日に行きましょ♪」
姉さんのねだる様な視線に耐えきれず、僕は思わず頷いてしまった。
その僕の頷きを見ると、姉さんはイキナリ立ち上がり、僕の頭を抱き締めた。
「(む、胸が)」
「ゆうくんと、一緒にお出かけするのが、楽しみだよ」
姉さんがそう言うと、僕を抱き締める力を強めた。
姉さんの胸は、外見から分かりにくいが、以外とあるのだ。
僕は、今の状況が恥ずかしくなり、止めるように言おうとするが。
柔らかい物に顔が埋められているので、話す事が出来ない。
そうして、僕は気持ち良さと、恥ずかしさが混ざった状態に、悶えていたのだった。




