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第14話 休憩時間に

 2時限目が終わり、休憩時間の最中。




 「なあ、優、午後の授業の課題、やってきたか?」


 「うん、してきたけど」


 「すまん、写させてくれ。

ある事をスッカリ忘れていたわ」


 「・・・しょうが無いなあ」


 「わりい、恩に切りぜ」




 と、透也がイキナリ言って来た。


 まあ、透也が課題の(たぐい)を忘れるのは、いつもの事だ。


 溜め息を付きながら、ノートを透也に渡す。


 ノートを受けとると、透也は急いで、ノートを書き写す。


 そんな透也を溜め息を付きながら見ていると。



 「ねえ、大橋君、お姉さんが呼んでるよ」



 僕の側で、そんな声が聞こえた。


 見るとクラスの女子が立っていて、教室の出入り口の方を指差している。

そして、その先には、姉さんが立っているのが見える。


 姉さんは、僕を見つけると、小さく手を振ってくれた。


 僕は席を立って、姉さんの所に向かう。




 「あれ、姉さん、どうしたの?」


 「ゆうくん、お願い、英和辞典を貸して」




 姉さんが両手を合わせて、僕にお願いして来た。



 「うん、じゃあ、今取って来るよ」



 僕は、一旦、自分の席の方に戻った。




 ***************




 「大橋先輩、彼氏はいるんですか?」


 「帰りに、どこかにいきませんか」


 「あはは・・・」




 席に行って、また戻って来ると、クラスのヤンキー系の男子が、姉さんにナンパをしている。


 姉さんの方は、困った様子で、愛想笑いをしている。


 それを見た僕は、何となく”ムッ”としてしまい。



 「姉さん、辞書渡すから、アッチにいこ」



 僕は、姉さんの手を引いて、廊下の先にある階段の影の方に行く。



 「チッ」「なんだよ、優の奴」とナンパし損ねた男子の声が、後ろから聞こえるけど。

そんな連中の事なんか、どうでも良い。


 何となくイライラした僕は、姉さんを引っ張りながら、階段の影の方に向かった。




 ***************




 「ゆうくん、ありがとう」


 「姉さん、こっちに来ない方が良いよ」


 「えっ!」


 「また、あんな連中に付き纏われるよ。

姉さんは、タダでさえモテるんだからね」




 そうなのだ、姉さんは、可愛い系の美人で、学校でもカナリの人気があるのだ。


 僕が入学して、側にいる様になってから、見ないみたいだけど。


 それ以前は何でも、告白される事は珍しく無く、機会を見つけて親しくなろうとする男が、付き纏う事もあったらしい。


 そんな時は、瑞希先輩達が撃退していたそうだ。


 だから、僕は入学するまで、そんな事を聞いて、いつもヤキモキしていた。




 「でも、ゆうくんに、用事がある時は・・・」


 「そんな時は、僕が姉さんの所に行くよ。

瑞希先輩とかに、頼んで呼びに来たりしてさ。

・・・姉さんは可愛いから、心配になるんだよ」


 「ゆうくん、ありがとうね・・・。

でも私は、ゆうくんから見ても、可愛いんだ♪」


 「え、その、あの・・・」


 「ねえ、お願い、もう一回言って」




 そう言って姉さんが、両手を僕の頬に包み込む様に当てた。




 「えっと、その・・・」


 「ほら、早く言って・・・」




 姉さんは、僕の頭を自分の方に引き寄せると、オデコとオデコをくっ付けながらそう言った。


 それから僕は、時間が来るまで、姉さんの甘い尋問を受けていたのである。



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