第11話 湯上がりの姉さん
居間で、姉さんとまったりした後。
僕はお先に、お風呂の入らせて貰った。
湯上がりの後、僕は自分の部屋にいる。
ベッドの上でパジャマを着て、のんびりと本を読みながら、火照った体を落ち着かせていたのである。
そうやって、ベッドでのんびりしていると。
「コンコン」
「どうぞ、姉さん」
姉さんがドアをノックしたので、入るように姉さんに言う。
「ガチャ」
ドアが開いて、姉さんが入って来る。
姉さんは、可愛い猫の柄がプリントされた、パジャマを着ていて。
湯に上がったばかりなので、顔がわずかに赤みを帯び。
更に、髪の毛にまだ、水分が残っているからなのだろう。
黒髪が、普段よりも黒々としている。
しかし、よく見ると、右手にはドライヤーを握られていた。
「ねえ、ゆうくん、今日もお願い」
そう言って、僕にまた、いつもの事を頼んで来たのである。
「うん、分かったよ。
じゃあ、こっちに来て」
僕は姉さんに、自分の近くに来る様に、言った。
****************
「ガ〜〜ッ」
今、僕は、姉さんの髪を乾かしている。
姉さんは、ベッドの上で女の子座りをしていて。
その後ろで、僕が姉さんにドライヤーを当てながら、乾かしているのだ。
姉さんの髪を持ち上げて、一ヶ所に当たり過ぎない様に、ドライヤーを微妙に動かしている。
髪も、タダ持ち上げているだけで無く、風に当てながら少しずつ落としたり。
あるいは、髪を指の間に通して、梳る様にしたりしながらも、丁寧に扱った。
「・・・ゆうくん、気持ち良いよぉ」
姉さんが、ウットリする様な声で、そう言った。
ずいぶん前から僕は、風呂上りの姉さんの髪を、乾かす様になっていた。
姉さんが僕に、自分の髪を乾かせる様になったのは。
自分では、やりずらい所があるのと、僕がした方が気持ち良いからである。
・・・
しばらく、そうやってドライヤーで乾かして行き、髪も大分乾いて来たので、ドライヤーを止めると。
「・・・お願い、ゆうくん。
今度は、髪を撫でて欲しいの」
髪を乾かす時の感触に、味を占めた姉さんが。
イキナリ止めるのを惜しんで、乾いた後も髪を撫でる様に、お願いして来たのだ。
姉さんのご要望通りに、髪を撫でる。
それも、髪をタダ撫でるだけで無く、指の間に髪を通しながら、同時に頭を撫でたり。
頭を揉む様な感じで、髪を撫でたりと、色々な方法で撫でてみる。
「はぁ・・・」
すると姉さんが、ウットリする様な溜め息を付いた。
それから、もうしばらくすると。
「ねえ、ゆうくん、お姉ちゃん、眠くなったから。
また、一緒に寝ても良い?」
そう言って、僕におねだりして来た。
寒い間は、姉さんが冷え症なので、手足が冷えてナカナカ眠れない。
それで、僕と一緒に寝て、僕を湯たんぽ代わりにしていたのだ。
しかし、もう暖かくなったから、もういいんだけど、姉さんがそれでも一緒に寝ようとする。
でも、姉さんと一緒に寝ると、いつも、一緒に寝る事を意識して、ドキドキしてしまう。
だから、個人的には、気が進まないのだけど。
「はあ、仕方ないなあ」
「ありがとう、ゆうくん」
姉さんがそう言うと、僕に笑顔を見せた。
と言う訳で、今日も姉さんと一緒に寝る事になったのだ。




