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最終話 手をつなぎながら

今回で、この物語が最後になります。

 あれから時は流れた。


 由衣先輩と蓮先輩とは、あれからも登下校や昼食時に一緒にいるが、表面上は以前と変わらずである。


 しかし、その内心はどうかは、また別であるが。


 だが少なくとも、パッと見た目では、そんな事があったとは思えない様な感じではある。


 それから、透也のヤツは相変わらずであり、今度は何と、由衣先輩を狙っている様である。


 以前の先輩だと、透也も持て余しただろうけど、変わった先輩は、人付き合いが良くなった。


 それどころか、ユーモアセンスさえ感じられる様になったので、これなら、透也もどうにか出来ると判断したのだろう。


 けれど、いくら透也が近寄っても、先輩に全く相手にされない。


 まあ、無駄な努力だろうが、頑張ってくれたまえ。



 ・・・



 後、瑞希先輩の推薦入試だが、結果は無事合格していた。


 しかし、その試験内容を聞いてみると、実際に会場で実技を行う、一芸入試的な物のようで。


 それで先輩が、得意の空手を会場で演舞をした所、空手の全国チャンピオンになった経歴に血迷ったのか。

試験官の一人が飛び入りで、自由組手をすることになり、何と、その試験官をノックアウトしてしまうと言う、珍事を起こしたのだ。


 それで、一時は不合格も考えたのだけど、しかし返って、試験官の印象に残ったのか、無事合格していた。



 ・・・



 それと、その後すぐに行われた期末試験は、先輩との事で気を取られた所為(せい)で。

点数がボロボロの結果になり、辛うじて、補講を受けずに済んだ位であった(涙)


姉さんの同様であったが、元々から成績が良かったし、それに、もう推薦で合格していたので、余り、影響が無かったのである。




 *******************




 今日は、クリスマスイブである。


 これから、二人は、繁華街に出て、イルミネーションを見に来た。


 家で大人しく、二人だけでイブを過ごそうと思っていたけど。


 姉さんがどこかで、繁華街のイルミネーションが綺麗だというのを聞いたのか、見に行きたいと僕にねだってきた。



 「しょうがないなあ」



 姉さんのおねだりに弱い僕は、姉さんの言う通りに、繁華街に出たのである。



 ・・・



 「ほら〜、ゆうくん、きて〜」

 


 こうして繁華街に出たけど、僕は姉さんに引っ張り回されていた。


 二人とも、厚手のコートを着て、ニットキャップとマフラー、手袋をしていたけど、それでも寒い。


 そんな寒さの中、姉さんはまるで雪が降った後の犬の様に、元気一杯で僕を引っ張って行った。


 姉さんに引っ張られて、ある広場に出ると。



 「(はあ〜)」



 綺麗に飾り付けされた、モミの木の前に出た。



 「話しには聞いてけど、予想以上に綺麗だね」



 手を握ったまま、僕の隣で、姉さんがそう言った。




 「姉さん、知ってたの?」


 「うん、だから、ここに来ようと言ったの♪」




 確かに、言われれば、凄く幻想的な光景である。


 二人は、しばらく、その光景を眺めていた。



 ・・・



 「ねえ、ゆうくん・・・」



 そうして、二人でモミの木を(なが)めていたら、姉さんがそう言いながら、手袋の上から(つな)いだ手を握り締めた。



 「私達、いつまでも、ずっと一緒だよね・・・」



 続けて、姉さんはそんな事を言う。



 「うん、僕と姉さんは、いつまでも一緒だよ」



 僕は、握り返しながら、姉さんにそう言った。


 それは幼い頃、姉さんと誓った事だけど、それを先日、改めて確認したのだった。




 ”ゆうくん、いつまでも一緒に居ようね”


 “うん、ずっと一緒だよ”




 それは、その時は軽い気持ちだったのかもしれないけど。


 それがいつの間にか、永遠の誓いになっていた。


 これから、二人は、いつまでも手を繋いで歩いて行くだろう。


 そんな事を思いながら、いつまでも手を繋いでいたのであった。




                            手をつなぎながら 終わり

今まで、ご覧になられた皆様へ。

この様な、チラシの裏を見ていただき、本当にありがとうございますm(__)m


内容に付いて、色々と、不満があるかもしれませんが、一応、最後までエタらずに、話を終了させる事が出来ました。


これも応援していただいた、皆様のおかげです。


それでは、皆様の健康とご発展を祈りまして、この物話を終了とします。

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