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第100話 迫(せま)られる決断

皆様のおかげで、無事100話を迎える事ができました。

残り、あと5話、応援お願いします。

 僕は、由衣先輩と別れると、授業中の教室に入った。



 教室に入ると、今の時間は自習だったので、何人も席を立っていて、雑然としていた。


 ただし、騒ぐと隣の教室にいる先生が怒鳴り込むので、余り大きな声を上げる事は、みんな自重しているが。


 そんな訳で、遅れて入っても、特に目立つことは無かった。



 「おい、優、どこに行っていたんだよ?」



 自分の席に戻り、椅子に座ると、隣の透也が尋ねてきた。




 「うん、ちょっとね・・・」


 「・・・そうか」


 


 僕が言いたくない様子を見せると、雰囲気を読んだのか、(いぶか)しそうな表情を見せながらも、短くそう言って、すぐに反対側の男子と雑談を始める。


 僕は、透也の様子を見て、軽く溜め息を付くと、机に頬杖を付いた。


 そして、頬杖を付いたまま、次第に思考の世界に入って行った・・・。




 *******************




 由衣先輩は、とてもシャイだけど優しくて、しかも、僕の為に自分を変えてくれた位、僕の事を思っている。


 そんな先輩が僕に告白したのだ。



 「(由衣先輩に告白された・・・)」  



 僕は改めて、その事を考えた。


 夏休みに海に行った時からの事を思えば、そうなる可能性があるのは分かっていたのだけど。


 僕は、その事について、考える事を避けていたのだ。


 それは、姉さんとの関係が変わるのを恐れて、先延ばしにしていたからである。


 もっと前に、この事を考えていれば・・・。



 ・・・いや、それ以前に、僕は、姉さんとの関係に付いて、今まで深くは考えていなかったのだ。


 なぜ、僕は姉さんに、こんなに固着しているのか?



 僕は、姉さんと何がしたいのか?



 ただ、一緒に居て、ジャレ合うだけなのか?



 姉さんと恋人になりたいのか?



 いや、それとも、少し違う様な気がする。


 僕は、姉さんと今までの関係を改めて、新しい事がしたいんじゃないんだ。


 何だろう、この喉まで出かかっているのに、出てこないモヤモヤした感覚は。


 もう少しで、答えが出てくるのに。


 答えが出れば、由衣先輩の返事も自然に出るんだけど。


 僕は、頬杖を付いたまま、眉間にシワを寄らせながら、思考の世界に居たのである。




 *******************




 「・・・う、・・・優、おい、優!」


 「うん?」


 「おい、もう、休憩時間だぞ!」




 どうやら、授業時間が終わり、休憩時間になったみたいだ。




 「優、お前、何か変だぞ・・・」


 「いや、大した事じゃないよ。

ちょっと考え事をしていた所だよ」




 休憩時間になっても、動かない僕を不審がって、透也が声を掛けた様だ。




 「透也、ジュースでも、一緒に買いにいかない?」


 「ああっ・・・」




 僕は、透也にそう言って、誤魔化すが、透也は相変わらず、怪訝(けげん)そうな表情で僕を見ている。




 「(おご)ってやるって言っても?」


 「ご馳走(ちそう)になります」




 奢ると言った途端に、コロリと態度が変わる透也・・・。


 全く、コイツは現金だなあ。


 そんな訳で、透也と二人で、気分転換を兼ねて自販機に向かったのであった。



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