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第10話 夜のひととき

 僕をジッと見詰めていたので。

結局、姉さんが食べるのに時間が懸かってしまった。


 しかし、今度は逆に、食べ終わった僕が、姉さんの食事風景を眺めている。


 姉さんを眺めていると、少しづつ食べる姿は、まるで小動物の様に見える。



 「ニコニコニコ」


 「・・・」



 可愛らしい、姉さんの食べる姿を、僕が頬を緩ませて見てると。

僕のその視線に気付いたのか、頬を少し赤くしながら、姉さんが食べていた。




 ***************




 夕食が済んで、食器を持って流しに向かう。


 その後から、姉さんが同じく、食器を持って来た。




 「姉さん、姉さんの分もまとめて洗うから、居間で休んでてよ」


 「そんな、悪いわよ」


 「いいから、いいから、居間に行って良いよ」


 「・・・それじゃあ、お願いね、ゆうくん」




 そう言って、自分の分を流しに置くを、姉さんは居間に行った。


 さて、姉さんの分も一緒に洗うか。


 さっき切った傷には染みるけど、まあ、いいか。


 それから僕は、流しに行き、洗い物を始めた。




 ***************




 食器を洗い終えると、僕は居間に行った。


 居間には、姉さんがテレビに前のソファに座り、何やらテレビ番組を見ている。




 「ゆうくん、ご苦労さま」


 「姉さん、何見ているの?」


 「うん、動物もののバラエティーなの」


 「姉さん、生き物が好きだからね」




 そう言うと、僕は姉さんの右隣に座った。


 いつも、無意識の内に姉さんの右隣に居てしまう。


 小さい頃はいつも、姉さんが右手で、僕の左手を握っていたので、その時の名残りなのだろう。


 なぜか自然に、姉さんの右隣にいてしまうのだ。



 「(スルスル)」



 僕がソファに座っていると、姉さんが移動して、僕に密着して来た。


 そして、僕の左側で腕を組ながら、僕の手を右手で持ち、左手で手の甲を撫でる。



 「ねえ、ゆうくん」


 「何、姉さん」


 「指、痛く無い?」


 「うん、少し染みるけど、それ程でも無いよ」



 姉さんが今度は、僕の怪我した指を軽く握りながらそう言うと。

それに対して、僕は、そう答えた。


 姉さんが密着してきたので、甘い、まるでキャラメルの様な匂いが(ただよ)って来た。


 その甘い匂いと、密着する体の柔らかさに、なぜだかシュークリームやマシュマロなんかの、柔らかいお菓子を連想してしまう。


 でも、姉さんは匂いだけで無く、その雰囲気や優しさは、まるでお菓子の様に甘くて柔らかい。


 その甘さに、僕はいつも溺れている。



 「姉さん」


 「なあに」


 「心配してくれて、ありがとう」



 僕の事を気遣ってくれる、姉さんにお礼を言った。


 そうして、テレビを見ながら、僕達はまったりとした時間を過ごした。



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