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男「先輩?」

男「美女と野獣?」

作者: 筍野鮭太

女『今テレビで見ているんだ』


男「……まぁ、僕も見ていますが」


女『おお、気が合うな。

まぁ、それはいい、電話したのには訳がある』


男「はい、何ですか?」


女『納得いかないんだ』


男「……はい?」


女『この映画の結末』


男「え、まだ映画やってますよね?」


女『前に一度見たから知っているんだ。

野獣は美女に愛されたことで人間に戻る、みたいなオチだった』


男「……先輩、ウォーリーに丸付けちゃう人ですよね」


女『お、よく知っているな?

そうそう、見付けた場所にちゃんとマークしておかないと二回目にまた探さないといけないからな』


男「……突っ込みはいろいろ思い付きますが、まぁいいです。

それで、何が納得いかないんですか?」


女『なぜ野獣は人間に戻る必要があったんだ?』


男「え?」


女『美女は野獣を野獣のままで愛したはずだ。

なぜ、野獣が美青年に戻る必要がある。

ストーリー上、完全に蛇足じゃないか』


男「それはまぁ……だって、ハッピーエンド的に、呪いは解けた方がいいからじゃないでしょうか」


女『だが、この映画の本題は見た目に関わらず人を愛することの美しさでは無いのか?

分かりやすいハッピーエンドを求めるために本題を蔑ろにしていいのか?』


男「それは……どうでしょう……」


女『な、納得行かないだろ?』


男「言われてみれば……」


女『うむ、分かってくれればいい。

このもやもやを君に共有して欲しかっただけなんだ。

じゃあ、おやすみ』


男「あ、はい、おやすみなさい」


妹「兄ちゃん、お風呂出たよー。

次入る?」


男「あ、ううん、テレビ見てるからいい」


妹「そっか。

あ、懐かしいアニメ。

これ良い話だよねー」


男「……そうなの、かな」


妹「え?」


男「あー、いや、何でもない」

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