6話 一人より二人の可能性
「いやぁー、お昼ご馳走になってすみません!」
「いいよ、気にしないで!」
今宵はお昼休み、オレは白さんにお昼を奢って貰った!
午前中に汗水流して働いたあとなどで、ご飯がとても旨い!口の中にどんどんご飯とオカズが吸い込まれていく、そしてそのあとにお茶で流し込むとなんだか幸せな気分になる。
生きてるとはこういうことだろうか・・・、間違えた死んでた。
「見てて気持ちいいくらいの食べっぷりだねー。」
「そりゃー、荷物運びでお腹減ってますから!奢ってくれて助かります!」
「うんうん、あとで借りは返してもらうからいいよ!」
オレは箸が止まった。借りとはどういうことだろうか?
まぁ、弁当くらいでそんな大きな借りができることはあり得ない、どうせ次はそっちが弁当奢ってくれとかそういう借りだろ。
「一日仁さんは、僕の所有物ってことで手をうつよ!」
「オレの存在は弁当と同じなんですかね?」
まぁ・・・冗談だろう、冗談以外の何者でもないさ。
オレと弁当の価値が同じなわけないさ、だってそうだろう・・・相手は弁当だぞ?弁当に足も手もないだろう?ましては食われるだけの存在だぞ?
「食べ物は命の源、食べなきゃ死ぬでしょ!・・・死んでるけど。」
「そういう問題じゃないでしょ!それなら弁当買って返しますよ!」
「そのお弁当、10000TGだけど返せる?」
え・・・・?たしかオレの残金は9000TGだよな?
9000-10000=-1000・・・つまり払えないということになる。
ていうかなんでムダにここの弁当高いんだよ、ふざけんなよ。
「な、なんでそんなムダに高いんだ・・。」
「高級弁当ってヤツでお米から厳選して選んでるらしいよ?」
「それ買っちゃダメでしょうよ、詐欺の手口だよ。」
「で、払えるの?払えないの?」
「は、払えません・・・。」
このドス黒い笑顔は天界にいてはいけない存在じゃないだろうか?
というかやってること悪魔だよ、この人来る場所間違えてるよ。地獄に行くべきでしょ、ここは天界だよ?堕落してくれないかな。
「はい、じゃ決定!」
「待ってくださいよ!所有物なんてあんまりですよ!」
「大丈夫、仕事手伝ってくれればそれでいいよ。」
「仕事・・・?」
「うん、まぁそういう訳で!仁さんにとっても悪い話じゃないはずだよ。」
たしかにそりゃ悪い話ではない。今まで評価されるどころか役にたっていないからな、この人といればもしかしたら評価されるかもしれないし・・。それにこの人に仕事のコツとか聞く予定だったし丁度いいか!地獄に仏ってあるんだな~・・・、ていうか天国に悪?
「まぁ、とりあいずお昼休憩も終わったし早速手伝ってもらうよ!」
「あ・・・ヨロシクです。」
白さんは立ち上がり、一人でずんずん奥の部屋がいっぱいあるところに向かっていた。
オレも遅れちゃいけないので、その後ろにひたすらついて行った。途中で書類室みたいな部屋に入りオレも続いて入ると、ハンコ一つと書類の束があふれていた。
「この書類にハンコ押してもらう仕事やってもらうよ。」
「・・・これだけ?」
「うん、頼まれてたんだけどめんどくさいからさ・・・、それに地味だし。」
「地味って・・・えっと、終わったらどこに?」
「終わったら、書類係の「秋」さんに報告しといて!これ全部終われば評価はされるよ!たぶん今日じゃ終わらないけどね!この量だし。」
たしかにこの量は今日は終わらないような気がする・・・。
何処見ても、紙、カミ、かみ・・・。まず散らばっている紙をまとめないと。
しかしハンコ押すだけとは・・・、仕事なのか分からなくなってきた。
「これ全部終わらせると、それなりに評価してくれるみたいだよー。」
「ハンコ押すだけなのに??」
「まぁー、詳しいことは分からないけどさ~・・・じゃ!頑張って!」
そう言って白さんはここからダッシュでちがうところに走っていった。
部屋を見てみると書類で散乱してるし・・・コレ全部やるとなると、一気に疲れが増してやる気がドンドン消えていく。でもやるしかないんだけどね。