11話 学力測定
朝、6時半過ぎ・・・、体がまったく動かない。
どうやら昨日の体力測定原因らしい。
少しでも体を動かすと、体に変わった痛みが走る。これは筋肉痛でまず間違いないだろう・・・、死んでも筋肉痛とかあるんだな。
立ち上がろうにも起き上がらない、そして目を再び閉じてしまえば夢の中に確実に行ってしまう事も分かるほど疲れている・・・、しかしこのままでは遅刻してしまう。
「よ・・・いしょ・・!」
なんとか立ち上がった俺はまず洗面所に行き、顔を洗う。
顔を洗ったあとで歯を磨きながらゆっくりと歩きながら私宅を済ませる。
ある程度の済ませたら、またゆっくり洗面所までゆっくり歩き、口をゆすいで鏡を10秒程見つめる。それで思った事はこうだ。
「酷い顔だ・・・。」
やっぱり安い体だから顔があんまり良くないのだろうか。
でも、思い出にともなった体だから・・・、それはしょうがないかも知れない。
支給されたスーツをゆっくり着替える。いつもどうりには着替えられない、痛くて。
研修期間で、お金もあんまり持ってないから服とか支給されるのは本当に助かる。
ネクタイを結んで、準備完了。現在の時刻は7時30分、警察署までここから10分。
しかし筋肉痛なので倍はかかるだろうと予想。
そろそろ出なければ遅刻してしまう、今日は学力テストだったな・・。
どうせ基本問題しかでないから問題はないだろうな・・・。
「よし、行くか・・・。」
玄関にカギをしめていざ、出発。
▽▽▽
一歩、一歩大地を感じながら歩いてる訳ではない。
痛すぎてそんな風に見えてしまうだけなのだ、察しろ。
まさかここまでとは思わなかった、恐るべし筋肉痛・・・。
しかし頑張ったかいがあったもので、ようやくゴールに近づいた!あとはこの信号を渡るだけだ、この信号は結構長いんだよな・・・。
隣を見ると大きな荷物を持ったおばあさんが信号待ちを苦しそうにしてた。
ていうか、この世界でもおばあさんがいるんだな・・・。
ベタな展開だ、ここはみんな俺がおばあさんに『大丈夫ですか?お荷物運ぶの手伝いますよ』とか言うだろうと思ってかもしれないが、俺はそんなお人よしじゃない。
しかもこの筋肉痛だ、こんなデカイ荷物が運べるわけないだろうが。
「うぅ・・・、はぁはぁ」
そんなしんどいなら荷物を下ろせばいいだろう、なぜいつまでも背負ってるんだ。
この信号が長いこと知らないのか?
なんかおばあさん、こっちをさっきからチラチラ見てくるが・・・。
そんな辛そうな動作してこっちもチラチラされても、俺には関係ないことだ。
「・・・」
しかしこの信号ながいな・・・。
いつもよりも長いんじゃないか?おばあさんはなんかいまにも倒れそうだし・・。
ていうか足腰にきてるじゃないか、ひざがありえないほどガクガクしてるぞ・・。
こんなところで倒れて、介抱するほうがめんどくさい・・・、仕方ない、俺は本当はこんなキャラじゃないんだ、人助けなんかめんどくさいだけなんだが・・・。
「おばあさん、重そうですね・・、運ぶの手伝いますよ・・。」
言ってしまった・・・。
ついに言ってしまった・・・、しかしめんどくさいが仕方ない。
これっきりだからな、感謝ぐらいしろよな、おばあさん。
「おやおや、ありとうね~、じゃ手伝ってもらおかね・・・。」
「どこまで運びましょうか?」
「そこの警察署に用があるからそこまでお願いできるかね~・・・?」
警察署まで用事か・・・、まぁ、余計な寄り道はしなくてよかったな。
このまままっすぐ、このデカイ荷物を運べばいいんだからな・・・。
俺は到着できるのか・・・?
その瞬間、信号は青に変わり、俺は愛想笑いでおばあさんの代わりに荷物を持ち上げた。正直シャレにならないくらい重い・・・。おばあさんがよくこんなの持てたな・・・。
俺はこれがギリギリだぞ・・・、歩くことさえあぶない・・。
俺は一歩、一歩・・・ゆっくりと思い荷物を運んだ。
運んでる時間がなにより辛くて、なにも考えられるずにいた。
学力テストの時間はとっくに過ぎてることは自分でも分かっていた。
それでも、自分が引き受けたから最後までやらなければならない・・・。
これは俺のポリシーでもある。よくあるポリシーだけどな。
現在8時過ぎ、ようやく警察署到着。
学力テストにはもちろん間に合わず、俺はそこでヘバっていた。
もちろん、足腰がガクガクで立てないこともあったけど。
「よく、ここまで運んでくれたね、ありがとう・・。」
「・・・いえ、とんでもないです・・。」
「学力テストは合格にしようかね・・・。」
正直、なに言ってるか分からなかった。
だっていきなりこう言われるんだから・・・。
合格って、学力テストが・・?