9話 帰宅
今は夜の8時過ぎ、俺は現在天空警察署の寮に帰宅してくつろいでる最中。
部屋はどっちかって言うと狭い。でもちゃんと風呂もついてるしトイレもついてる、それに家具も必要最低限は揃っている。 冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機・・・などなど。
驚いたことに冷蔵庫の中には調味料と食べ物が入っている・・・賞味期限過ぎてるんじゃないかと確認もしたが、大丈夫だった。
ちなみに今の時刻、日にちは黄泉の世界、現実の世界はまったくの共通らしい。
今日で何人死ぬか・・・こっちでは把握しており、それに合わせて食べ物もちゃんと用意されていて、こっちでは不自由させないらしい。
ちなみに死んだらすぐには黄泉の世界に行けないらしい。一日に何千人も死ぬわけだから、死んですぐにこっちの世界にこれたらなにかとマズイ。
例えば就職に関しても、人数が多すぎて働けない人たちが多く存在してしまう。
まぁ、死ぬというのは『寝てる』と同じだから・・・、黄泉の世界にいけるようになったら起こしてくれるらしいけどな、こっちの世界に人が多すぎて就職できなかったら困る。
「さて、明日もあるし寝るかな。」
明日は体力テスト的な試験があるらしい。
規定値に達しないと、研修生機関は長くなるらしい。
体力か、大丈夫かな?あんまり自信がないんだけど、ていうか学生時代の記憶がないから体力とかそーいう記憶が全然分からない・・・。
・・・まぁ、なるようになるか・・・?
しかし、白さんはすごいな。
普通なら一週間の研修を受けるのに1日で就職できるなんて。
俺のこと騙したことは腹が立つけど・・・。
でも、これも才能だよな・・・羨ましいかぎりだ。
「・・・考えてないで寝るか。」
電気を消して、布団に潜る俺。
そして目をつぶり寝る準備をする。
まっていれば・・・ほら、だんだん夢の中へ・・・。
『ドン、ドン、ドン、ドン、ドン』
まぁ、予想はしてたよ。
でもそんな予想は外れていい。
人が寝ようとしてる時に壁ドンしてきやがって、嫌がらせだろ。
隣って誰かいたけっけ?まぁ、どうでもいいや。
とにかく無視してれば、鳴り止むだろ。 無視、無視。
『ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドドン、ドドン、バコン。』
うるさいよ、うるさすぎるよ!
何回壁ドンすればいいんだよ、調子乗るなよ!ドンドンうるさいんだよ。俺は寝たいんだよ、寝かせてくれよ、勘弁してくれよ、ホントマジで。
「・・・・」
『ドン、ドン!』
ふふ、やり返してやったぜ・・・。
相手もまさかやり返すとは思わないだろう。
その証拠にほら、静かになった!これで夢の中にいける・・それじゃオヤスミ。
『ミシ・・・ミシ。』
・・・・静かになったけど、やけに静かすぎるな。
まさかだと思うけど・・、ドアの前に立ってないよな?
なんかやけにそんな気がするぞ・・・、ていうかそんな感じしかしないし、絶対にあの扉の前に誰かいるぞ・・・、そう考えると一気に震えが止まらないぞ・・・!
『ガチャ』
・・・しまった、戸締り忘れた。
確実に『ガチャ』って聞こえたし、家に入ってくる音も聞こえる。
ヤダ、ヤダ、俺は絶対に目を開けないぞ!断じてだ!
「カチャ」
・・・?明かりをつけられた?
目を閉じていても分かる。
「あのー・・・俺の部屋なんですけど・・・・。」
「え?」
目を開けたら、男性が立っていて申し訳なそうに続けて会話を続けた。
「あなたの部屋、ここの隣ですよ?俺もさっき気づいたんですが、すでに部屋に入っていて・・・こういう手段をとらせてもらいました・・・。」
部屋番号をみると387番、俺の部屋は388番。
ただ間違えただけ・・・、なんか急に恥かしくなってきた・・。
というか、冷や汗が止まらない。
「す、すいません・・・。」
俺は取りあいず謝って、自分の部屋にもどった・・。
とりあいず、次会う時がきまずいな。