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第六話 弾丸の女王が恐れるものは可愛くない

私は、今日も工房で武器のメンテナンスをしていました。


私の武器にかかる維持費は弾薬だけではありません。

それぞれの武装も定期的に分解、修繕を行わないといけません。


大量の武器を扱っている私はこれを一度に全部直すのは大変なため

毎日一本ずつ、丁寧に修理することにしていました。


「あちゃぁ……この機関銃、銃身がすぐ焼け付いちゃうなぁ」


私の武装の中でも機関銃は割と取り回しが良いのですが

ほとんど銃身が使い捨てに近いのが困ったところです。

コスト的には安いのですがほぼ毎回使い捨て。


でも貧乏な私はその銃身を修復して再利用しています。





そんな時でした。


ガギギギギギギギ――


どこかで聞いたことのあるような金属を引きずる音。




そして開かれたドアの前にはブリジットが立っていました。


「っらっしゃい、と久しぶりだな」


「おっちゃん、彼女と知り合いなの?」


「知り合いも何も、彼女の武器を作ったのは俺だからな」


一方のブリジットは私の方に目を向けると

修理中の銃器類を眺めていました。


「面白そうなことをしているな」


私はしょんぼりしながら言いました。


「面白いことなんてないですよ。

 メンテナンスばっかりで。

 残りの時間は金策にほとんどの時間を持っていかれます」


「メンテなんてそこの親父に任せればいいだろ」

「おい、冗談だろ、あんなもん直せるわけ無い!」


そういいつつ彼女は大剣をおっちゃんに渡しました。

おっちゃんは両手で抱えるように受け取ると

その武器をじっくりと細かく観察していました。


「相変わらず扱いが雑だ、傷も多いが剣が歪みかけてる。

 これは時間がかかるぞ」

「構わない、どのぐらいかかる?」

「1日では無理だ、3日はかかるな」

「……つまんないな」


そういうと彼女は私の方に近寄ってきました。


「お前、なんでそんなに手間のかかる武器を使ってるんだ?」


なんで? と言われても私は困りました。


「そうですね、銃はロマンだからですかね!」


私は人差し指を立てて言いました。


「ロマンねぇ……。ロマンで飯を食えれば苦労がないがな」


彼女は壁に寄りかかりながら私の作業を眺めていました。

私はちょっとだけ言い返したくなりました。


「そんなこといったら貴方のあの剣はなんですか?

 合理性の欠片もないですよ?!」


すると彼女はケラケラと笑い始めました。


「合理性? お前にだけは言われたくない言葉だな!」

「むぅ!」


しかし言い返せませんでした。


「あれはアレで持ち運び以外は便利だ。剣が太いから敵からの攻撃も弾ける。

 重量があるから、物理耐性の高い相手にも刃が通る。

 何よりも敵を斬る楽しさがあるからなぁ?」


「私の機関銃も敵が穴だらけになって楽しいですよ!」


「なにいってんだ、引き金引いてるだけで敵が消し飛んじまうなんて

 斬りつけてる味がしねぇだろうが」


「なにをいっているんですか?

 圧倒的な暴力を前に、引き金を引くだけで相手が消し飛んでいく感覚。

 あの感覚を知らないとは、残念なことです」


「なんだぁ、オメェやるのか?」

「受けて立ちましょうか?!」


ゴツン!


「やめろ、お前ら二人とも頭おかしいから自覚しろ!」


私たちは鍛冶屋のおっちゃんに頭を殴られました。


「いってぇな、何しやがる!」


ブリジットちゃんはおっちゃんに飛びかかっていましたが

おっちゃんの腕一本で頭を押さえつけられてました。


「そうだ、お前達似た者同士なんだし

 パーティを組んだらどうだ。

 ちょうど前衛と後衛だろ」


「「似た者同士ぃ?!」」


「こんなでかい剣振り回すしか脳がない人とどこが似てるんですか?」

「場所も選ばずにバカスカぶっ放してるだけの脳筋とどこが似てるんだ!」


「頭が悪いところだ」


「なんだと!」

「なんですって!」


鍛冶屋は小さな戦場となった。

工房の修理費は、二人のツケになった。


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