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第二話 ダンジョンブレイカーココアは可愛いが正義

初めてのパーティでの探検はダンジョンに決まった。

一応私に配慮して、いつもより難易度の低い

ダンジョンを選んでくれたらしい。


依頼内容はダンジョンに巣食うモンスターの一掃。

レオンさんは言う。


「楽勝だな、ココアは見学しててもいい。

 最初は実戦の空気を感じるのが大事だ」


「ココアちゃん、もし怪我したら遠慮なく行ってね」

リナさんは優しい。


「足手まといになるなよ、そのやたらと物々しいガラクタは

 まずは自衛の為に使うといい」

トゲがあるけどノアさんなりの好意?なのだろうか。


ダンジョンに入る。

初めての経験だった。

緊張する。




そしてダンジョンに入った時だった。

ズシン、ズシン、ズシン




私が歩くたびに地響きのような足音が鳴った。


申し訳なさそうな顔をしてレオンさんが言った。


「ココア、もう少しだけ足音をたてないようにできないか?」

「き、気をつけます」


私はかかとに極力重量をかけないように歩いた

それでも足音は完全には消えなかった。


「ま、まぁなんとかなるか」

「今日のダンジョンはそうやばいところじゃない、大丈夫だよ」


レオンさんとノアさんはそんなやり取りをしていた。




全員がダンジョンの奥に行くと松明に火をつけた。


「ああ、そうか、ココアくんは松明の用意はないか」

「任せてください、こんなこともあろうかと……」


私は軍用のライトを取り出した。

片手で握れて明るさは1000ルーメン。

家庭用懐中電灯の5倍の明るさだ。


「べ、便利だな、偉い遠くまで見える」

「銃器改造で培った筒の生成技術の応用で作ってみました」

「ゴミスキル……いや失礼、正直使い物にならないと思ってたが

 意外な便利スキルだな、いやこれは知識の賜物か」


珍しくノアさんが私を褒めてくれた。




そうして行軍して1時間ほど経ったときだった。


「みんな、物陰に隠れて」


レオンさんはみんなにハンドサインで隠れるように言う。

私は反射的にライトを消し遮蔽に身を隠し、咄嗟に2門の軽機関銃を展開した。

他のみんなも松明を隠し、それぞれ迎撃体制に入る。


敵は10体、ゴブリンの群れだ。


「所詮はゴブリンだが、数が多いな」

「僕が魔法で1匹片付ける、そこからレオンが前を抑えてくれ」

「わかった……」




気がついた時、私は既に前に飛び出していた!


「ま、待て!」

「うおおおおおおおおお往生せいやぁあああ!!!」


私は無心に機関銃をフルオートでブチかました。

軽機関銃とはいえ反動はでかいが私の体はその反動を制御しきった。



ゴブリン10体はあっという間に蜂の巣になった。

ダンジョンには無数の銃弾の穴と薬莢が残るのみだった。




「おい、危ないだろ!」

ノアさんが切れた!

ちょっと怖かった。


「まぁまぁ、とりあえず全員無事だ、良かった」

レオンさんはこんなときでも優しかった。


「ココアちゃん……ちょっと戦闘する時、人が変わるのね」

リナさんは私を怯える目で見ていた。

私はなにかやらかしてしまったのだろうか?


レオンさんが私の肩を掴んでしゃがむと言った。


「ココア、ここは国が管理するダンジョンなんだ。

 その、だな。あまりダンジョンを破壊するとなんだ。

 修繕費として報酬が減ってしまうんだ。

 なので、次は手心を加えてくれると助かる……」

「は、はい! すみませんでした!

 咄嗟のことで混乱してしまいまして!」

「ああ、わかってくれたなら助かる。

 よし、みんな気を取り直していこう!」



再び一行はダンジョンの更に深くまで潜っていった。


そしてさらに2時間。

私たちはダンジョンの最深部まで到達していた。


「よし、モンスターもいないようだし一旦休憩するか」

「はぁ、疲れた。レオン、お前は頑丈だからいいが

 まわりはもっと疲れやすいんだ、休憩はもっと早く頼む」

「そういえばココアちゃんは大丈夫かしら?」

「は、はい、私は全然大丈夫です」

「流石持久力カンスト……」


その時だった。


巨大な岩のような物体の影が私たちを覆った。


私は素早く物陰に体を隠した。

その次に反応が早かったのがレオンだった。

振り下ろす拳を盾で受け止めていた。

盾が軋む音がした。


私はライトをモンスターに向けた。

「ゴーレムだ、なんでこんな低級ダンジョンに!」

「ちょうどいい住処だったんだろうよ、ノア、頼む!」

「任せておけ、サンダーボルト!」


雷撃がゴーレムの頭上に落ちる。

しかし頭の岩が欠けるだけで効果がイマイチだった。


「このゴーレム、魔法耐性が強い!」

「っく、一撃一撃が重い!」


レオンはその攻撃の尽くを盾で捌いていたが

そのたびに体勢を大きく崩していた。



このままでは保たない!

いずれは瓦解する。


私はフルアーマーウェポンシステムを全門解放した。


「チリ一つ残らず、消滅しやがれ!!!」




30cm徹甲弾、レールガン、ミサイルポッド20発を一斉掃射した!

壮大な地響きとともにゴーレムには全弾直撃し、音を立てて崩れ去った!


「お、おい、やばいぞ、ダンジョンが崩れる!」

「みんな、走れ! 崩落に巻き込まれるぞ!」


全員が必死に駆け抜けて、無事難を逃れた。


その後、パーティは解散した。

ゴーレム討伐の功績は大きかったが

ダンジョン一つを崩壊させた損害は大きく

収支は赤字であった。


その日から私はダンジョンブレイカーという渾名で呼ばれるようになった。

私は少しだけ胸を張った。


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