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第二十八話 重武装やめました!

そこには一台のドローンが冒険者ギルドにやってきていた。

受付嬢が困惑しつつ問う。


「あ、あの、ご要件は」

『ボウケンシャ トウロクヲ シニキタ』


中に浮かぶその金属製と思われる箱のような物体。

4つのプロペラが回転して宙に浮いているが

その箱の下には物々しい機関銃が接続されている。


「そ、それでは名前とロールの登録をお願いできますか?」


『ワタシハ モジヲ カケナイノデ

 カワリニ カイテモラッテモ?』


「わ、わかりました、ではまずお名前から」


『ココ……イエ、カカオデス』


露骨に警戒心が顔に浮かぶ。


「あの、もしココアさんなら、二重登録はダメですよ?」

『イエ、ダンジテチガイマス。

 ワタシハ、カカオデス』


しばらく沈黙が流れたが、受付嬢はため息を付くと

書面にカカオと記した。


「……ではロールはいかが致しましょうか?」

『ユウゲキ ト セッコウ デ オネガイシマス』

「わかりました、それでステータスなんですが……」


受付嬢は再び困惑する。


『ミテノトオリ ワタシニ ステータス トイウ

 ガイネンハ ソンザイ シマセン』


「で、ですよね。では今日空いている冒険者がいるか

 探してきますね」


こうして不幸の歯車は回り始めた。





こうして巡り合わさった

1基のドローンと3人のパーティ


「はじめまして、私はこのパーティの前衛でリーダーを務めるレオンだ。

 となりにいる杖をもったのが、魔法担当のノア。

 最後にヒーラーのリナだ」


そんなパーティ紹介する男とドローンの間に

無機質な声が響き渡った。


『ハジメマシテ ココ……イエ カカオ デス』


静音性が高いのか、あまりプロペラ音はしないが

ブーンと低温の回転音らしきものが響き渡る。


「レオン、また意味のわからない奴を引き受けやがって!」

「い、いや、だがそのおかげで私たちはギルドから

 多くの報酬を貰っているのも事実なのだ」

「とは言え、これは流石に限度というものがあるだろう!」

「仕方ないのだ、もう請け負ってしまった以上

 私たちは一心同体だ」


そういい、レオンは正面に浮遊するドローンを見つめる。


そこにいるのは一心同体どころか、体と言っても良いのか

怪しい不気味な浮遊するマシーンが存在するのみだった。


「あ、あの……怪我とかはどうすれば良いのでしょうか?」


ヒーラーのリナは素朴な疑問をぶつけた。

それに冷徹なマシーンは回答した。


「ワタシニ ケガノ ガイネンハ アリマセン

 カイフクハ ホカノカタニ オネガイシマス」


「便利なのかしら……ね? まぁわかりました」




こうして3人と1台は冒険に出かけることとなりました。





選ばれたのは初心者用ダンジョン。


ノアはレオンに向かっていう。


「なあ、お前はデジャヴって信じるか?」


「いつも理屈で物を言うお前らしくないな」


「お前の、その隣で飛んでる得体のしれない物体を見ると

 嫌でもあの時のことが思い浮かぶんだよ……」


「人を外見で判断するのは良くないぞ」


「既に人ですら無いぞ!」


そんな話よ横で聞いていたドローンは無機質な声で答える。


『ミナサンノ ゴキタイニ ソエルヨウ

 ガンバリマスノデ ミテイテクダサイ』


そういうとドローンからは2つのライトが強く光り

ダンジョン一帯を明るく照らした。


リナもノアに向かって言った。


「私も何かデジャヴのようなものを感じずにはいられませんわ」


するとレオンはパーティを鼓舞するように声を張り上げた。


「初級ダンジョンだからといって気を抜くな!

 だが、いつもの俺達ならさしたる問題もない。

 いくぞ!」




パーティは前衛のレオンとドローンのカカオが先頭に

どんどん奥へと進んでいった。

その異常に強いライトの視認性の

お陰で進軍速度が早くなったのだ。




事件は唐突に起きた。

まだ誰も気が付かないその暗闇の先にいる敵を

赤外線レーザーは探知したのだ。


激しい銃撃音とともに機関銃から

排出される薬莢の音がカラカラと鳴り響く!


銃撃は約5秒程度でおわったが、

パーティには混乱がもたらされた。


「一体何事だ!」

「何も言わずに撃つなよ! 危ないだろ!」


『センテ ヒッショウ デス。

 ゼンポウ 50m サキノ ゴブリン

 5タイヲ ゲキメツ シマシタ』


そういうと鉄の塊は黙って前進を再開した。


「むしろ俺達の方が必要ないんじゃないか?」

「将来有望だな……」






更に5kmほど進軍したときであった。

突如、ライトが切られた。


パーティは光が無くなったことで再び軽い混乱を起こした。


「なにがあった?!」


『ゼンポウ 50m サキ オーガノ ムレ 5タイ

 サラニ ゴーレム 1タイ カクニン シマシタ』


「やはりデジャヴはあるのか?」

「下らんことを言ってないでどうするか考えよう」

「単体ならやれない相手じゃないが数が多すぎるな」


そのときだった。

ドスドスと足音が近づいてくる。


『テキノ セッキンヲ カンチ

 ジドウゲイゲキヲ カイシシマス』


ドローンに付属されている機関銃が火を吹いた!

激しい銃撃音、しかし10秒ほどでそれは停止した。


『オーガ 2タイノ ゲキハヲ カクニン

 ノコリ 4タイ コチラニ ゼンシン

 ライトヲ サイトウカ シマス』


ドローンのライトが灯され、

オーガ3体とゴーレム1体の姿が現れた。


「どうする、まだ数が多いぞ!」

「撤退するしか無い!」

「そうね、さがりましょう」


『リョウカイ テッタイマデ ジカンヲ カセギマス』


「む、何をするつもりだ?」


するとドローンはパーティとは反対方向

敵の群れに突進していきました。


「馬鹿な! 突っ込んでも勝ち目はないぞ!」


そんな心配を他所に、ドローンは無慈悲に告げました。




『ジバクシーケンス ノ サドウヲ カクニン シマシタ。

 10ビョウゴニ バクハツ シマス』




レオン達は必死になって全力でダンジョンを駆け抜けると

後方で激しい爆発音が発生し、辺りは爆風で揺さぶられた!



ゴゴゴゴゴゴ


建造物の倒壊する音が鳴り響いていた。


「だから言ったじゃないか!

 デジャヴな気がするって!」

「言ってる場合か! 走れ! 巻き込まれるぞ!」





ドローン、カカオはダンジョンのモンスターとともに

ダンジョンもろとも倒壊し、帰らぬ身となった。


言うまでもなく、後ほどギルドからココア宛に

損害賠償金請求が届くのであった。


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