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第二十六話 鉄壁の男

今日はちょっとしたデモンストレーションが行われていました。

私とブリジットちゃんはその様子を覗きにいくべく

人混みを割って入っていくとそこには

全身をコートのようなもので身にまとい

顔まで覆うフードもつけた人物が立っていました。


「なんです? アレは」


「ああ、平たく言うと殴られ屋だな」


面白くなさげにブリジットちゃんは言う。


殴られ屋というとなんとなく拳で殴るイメージでしたが……。


彼の目の前に立っているのは巨大なハンマーを手にした

筋骨隆々な人物でした。


「あの……武器もアリなんですか?!」

「ああ、武器も魔法もなんでもありだ」

「死んじゃわないんですか?!」

「そのぐらいで死ぬなら苦労しない」


そうこう言っているうちに、その巨大なハンマーは

フードの男の頭上めがけて打ち下ろされましたが……



激しい金属音とともに、そのハンマーは反射され

ハンマーを担いだ男性は転倒していました。


「すごい、どんな原理なんですか?」

「俺は魔法は専門外なんだが……

 なんでも自己硬化と反射魔法の複合とかなんとか?」

「つまりなんなんですか?」

「どんな攻撃も無効化されるってことだ」


すると、ハンマーを持った男性は起き上がり

フードの男性と握手を交わすと、

手前においてある箱に銀貨10枚を入れていった。


「あのお金は?」

「挑戦に銀貨10枚、もしあの防御を

 突破したら入ってる銀貨総取りだ」


適当に見積もっても金貨5枚分ぐらいは溜まっていた。

私は興味をそそられた。


「あーいっとくけどやめとけ?

 金の無駄遣いだからな」


「なんでやろうとしてるって気がついたんですか!?」


「さっきからお前、金の所にずっと目が行ってるんだよ」


「そそそそんなことないですよ!?

 ……だってお金がないんです」


ブリジットちゃんはため息を付いて言う。


「だからなんでいつもそんなに金が無いんだよ」

「税金?とかいうのに全部持ってかれました。

 また最近は乾パンが手放せません」

「税金分ぐらいのこしておけよ……」


ブリジットちゃんみたいな脳筋を絵に描いたみたいな人に

言われたことに私はひどく気を落としました。


「おまえ、今すっごく失礼な事考えてなかったか?」

「ソンナコトハアリマセンヨ?」


「……まぁいいや、どのみち金の無駄だからやめとけ。

 俺も鉄壁ガルドには挑んでみたが、全く刃が立たなかったわ」


「ブリジットちゃんも挑んでるじゃないですか!」

「やってみないとわからないだろう!」

「ブリジットちゃんも同じ事思ってるじゃないですか!」

「お前のはやるにしてもお金がかかるだろうが!」


うぐっ! それを言われると弱いです。


すると静かにフードの中から透き通った声が響き渡りました。


「ダンジョンブレイカーじゃないか。

 君は試していかないのかい?」


目元まで深く覆われたフードから

その様子は伺うことができませんでしたが

明らかに私を挑発しているかのようでした。


しかしその時私は大事なことに気がつきました。


「やりたいけど……10銀貨ももってないです」


すると彼は両手をやれやれといった様子で持ち上げて言いました。


「いいだろう、弾代はペイしないけど、

 挑戦料金はタダでいいよ。

 ダンジョンブレイカーの攻撃をしのいだとなれば

 こちらとしても名前に箔が付くからね」


「おおお、鉄壁ガルドとダンジョンブレイカー!」

「まじかよ、観物だな!」


私がやるやらないにかかわらず

勝手に周囲のボルテージが上がっていくのを感じます。


「あーあ、あいつの思うツボだな。

 こうなったらもうやるしかないね、どうするの」

「もちろん、受けて立ちます!」

「まぁ万が一でも勝てれば賞金ももらえるしな」

「やる前から諦めていても始まりませんよ!」


そういうと私は彼の前に立ちました。

正面に立っても彼の様子はうかがい知れません。


彼は片手を前に出して手首でクイクイと手招きしました。

かかってこいよと。


私の中で久しぶりに眠りについていた闘争本能に

火が付く音がしました。


私は黙ってバックパックのボタンを押すと

フルアーマーウェポンシステムが展開される。


遠慮は一切しない。

脚部ガトリングにも

フードの男、ガルドを指定。

30cmキャノンには徹甲榴弾を指定。

ミサイルポッド起動

レールガンに電気が走る。


「さぁ、ショーの始まりだ! 塵になって消え失せろ!!!」


私は全武装のリミッターを解除し、ありったけの攻撃をぶつけた!





現場には巨大な爆風が巻き起こり、辺りを包み込む!


観客たちは全員吹き飛ばされ、

私とガルドの周囲は隕石が落ちたかのような有様になっていた。


結果的に私の弾はガルドの防御を突破しなかったが

集まっていた銀貨は粉々に砕け散り


おまけに後ほど憲兵達に器物損壊罪の容疑で私とガルドは逮捕された。


久しぶりに食べるカツ丼の味は美味しかった。

留置所の食事のほうが恵まれてるってどういうことなんでしょうか?


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