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第二十二話 氷竜の胃袋

私は一つの壁にぶつかっていた。

銃身の冷却システムのために必要な素材。

それには氷竜の胃袋が必要でした。


私は図面を広げる。


機関銃の銃身はどうしてもすぐ焼け付いてしまう。


そのためにも無尽蔵の冷気を生み出す氷竜の胃袋があれば

この焼け付き問題を解決できる。


問題はこの氷竜が極めて希少な存在であるということ。


出現すればギルドで大討伐隊が組まれる規模の存在。


そこで私は相談のために、ブリジットちゃんと

ギルドで打ち合わせをすることにしました。






「それは無理だろう」

「やっぱ、ですよね……」


ギルドは今日も活気に溢れているけど

みんな私の周りを通る時、何処となく余所余所しい。


「いっそのこと、買ったほうが早いんじゃないか?」

「そんなお金どこにあるんですか!」

「この間だいぶお金貰っただろ」

「もう新しい武装で全部使い果たしましたよ!?」

「いやお前早すぎるだろ! 貯金とかしろよ!」


正論すぎて言い返せない!


「ブリジットちゃんでも貯金するんですね」


何気なく話題を振ると彼女は言った。


「貯金するというより、

 もっぱら剣一本と回復役しか使わないからな。

 勝手に溜まってくんだよ」


「じゃあそのお金貸してください!」


「やだよ、お前凄まじい勢いで溶かして返さないだろ!」


ぐぬぬ、見透かされている。


「じゃあやっぱり氷竜狩りに行きましょう!」

「そんな簡単に行くか! 最低でも20人前後は必要だ」


「じゃあいっそのことミサイルを作るというのはどうでしょうか。

 鍛冶屋さんに発射基地を設営して、爆撃し続ければ倒せるのでは」


これはいける、間違いない!


「その金はどこからでてくるんだ!」


いけなかった……。



わたしがしょんぼりするとブリジットちゃんは肩を叩いて言う。


「そもそも現状でも十分だろ。

 お前それ以上強化してどこに行くんだよ」


「それは当然、戦場です!」


「俺達は冒険者だ! 兵士じゃねぇぞ!」


「ったくしかたねぇなぁ。

 あんま行きたくなかったけど、あそこ、いくか」


ブリジットちゃんはちょっとだけ不敵な笑顔を浮かべました。






そこは、ギルドとは遠く離れた場所にある

路地裏の更に奥深く。

周囲にいる人達は軒並み悪人風の面構え。


何か睨まれてるような気がしますが……。

虎穴に入らずんば虎子を得ず。

私はブリジットちゃんと一緒に中に歩いていきました。


そのさらに奥の奥。

そこには一つの古ぼけた店がありました。


ガシャンガシャンと音を立てて私は店の中に入りました。




「親父ー、生きてるかー?」


ブリジットちゃんは床に大剣を突き立てて、

ぶっきらぼうに言いました。


うーん、この床、歩いても大丈夫かな……。

私はそーっと、ゆっくりと。

のそのそとその店の中を歩きました。


ギーっという音が鳴り響きましたが

おもったよりこの床しっかりしてる。


「心配しなくてもこの店は客がゴミだから

 憲兵が束になって殴り込んできても大丈夫になってるから

 心配しなくていいぞ」


客層がゴミで憲兵が来る?!

どんな店なんだ……。


すると店のさらに奥の方から声がした。


「ゴミ筆頭が何をほざいておる……

 しかも連れてきたのがよりにもよって

 ダンジョンブレイカーか。

 お前は疫病神かなにかか?」


なんかすごい会話が繰り広げられてるけど一体何の店なんだ……。

そもそも店に並んでいるアイテムは

見たことがないようなものが多い。


「すみません……ここは何の店なんですか?」

「いらっしゃい、ここはただの雑貨屋じゃよ」

「盗品を筆頭に訳あり商品ばっかり並んでるゴミ屋敷だ」

「……ブリジット、お前はもう出禁にしたはずじゃが」


なんかとても険悪なムードです……。


「言われなくてももう俺はでてくよ。

 客が来たんだから相手をしろ、クソジジイ!」

「とんでもない客を押し付けてくれたものだ。

 それで、Sランク冒険者様は何が入り用だ?」


あまり私も歓迎されていないようですが……。

私は尋ねてみることにしました。


「あの、氷竜の胃袋を探しているんですが

 ありますか?」


「ない……」

「やっぱりですか……」


希少なのは理解していましたがやはり……


「と言いたいところだがある」

「あるんですか!」


私はつい大声を上げてしまった。


「正直こんなもの欲しがるやつはあまりおらん。

 なんならタダでくれてやってもいい」

「本当ですか?!」

「ただしじゃ……」


そういうとおじいさんの眼光が鋭く光った。


「とあるS級冒険者を始末しろ!」

「し、始末?! 殺しはしませんよ?!」

「っち、これだから表の冒険者は」


そういうとおじいさんは奥の方から一つの箱を取り出した。

フタを開けると、そこには冷気を放ち続ける物体が。

間違いない、氷竜の胃袋だ!


「わかった、殺せとは言わん、ただ徹底的にわからせてこい。

 そしたらこのアイテムを渡そう。

 こんな売れもしないガラクタ一つならその程度で妥当だろう」


私はそのおじいさんから1人の冒険者の手配書を受け取るのでした。


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