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第十六話 防衛戦

私達はギルドからの依頼を受けてその足で

直ちに現場に向かうことになった。


現場に向かうとモンスターたちの群れは

街への距離残り1km程度といったところまで迫っていた。

街の衛兵さんたちや冒険者たちは次々とモンスターを

倒していたが、倒している数よりもやってくるモンスターの

数が多すぎて対応できていなかった。


「どうしましょうか、多勢に無勢です!」

「そりゃ片っ端からぶったぎりゃいいだろ」

「久しぶりですが貴方は相変わらず変わらないですね。

 どうせ10分もしたらヘロヘロになるのが目に浮かびます」

「うるせえな! 余計なお世話だ!」


しかしこの一面モンスターしか見えない景色はあまりにも異様でした。

私はどうしたものかと考えていたのですが

コウキンさんは腕を私に差し出して言いました。


「ココアさん、手錠を外してもらえませんか?」

「え、ええ。しかしどうにかなるのですか?!」

「とりあえずこの程度なら造作もありません」


「待てココア、そいつの手錠を外す前に全員を退避させる。

 ココアも手伝ってくれ!」


言われるがままに交戦中の人々に撤退するように

戦場を駆け回りました。


全員が一度、私たちの周りに集合しました。


「うげっ、コウキンじゃん……」

「ダンジョンブレイカーまでいる……」


ヒソヒソ声が聞こえてきてちょっと心に刺さりますが

コウキンさんは涼しい表情で再び私に両手を差し出します。


「さあ、時間がないので手錠を」


私は恐る恐るその手錠を外すと、彼は手首についた手錠のあとを

撫でるようにすると敵全体を見つめると


突如として右腕を天高く掲げる。


するとその手のひらにはまるで太陽のように燃え盛る

直径10mはあろうかという火の玉を顕現させた。


そして彼はそれをソフトボールでも投げるかのように

敵の中に放り投げた!


ヒューーーーーーン!


空気を切り裂く音、そして時間差でゴゴゴゴゴと

とても魔法の音とは思えない地響きが鳴り響き

まるでミサイルで爆撃したかのような爆風がこちらにやってきて

モンスターたちは消し飛ばされていきます。


私たちも吹き飛ばされそうになってみんな

地面にしがみついていました。




そしてしばらくすると、アレだけ大量にいたモンスターたちの数が

激減していました。


しかしまだ残存するモンスターたちが前進を再開し始めました。


するとコウキンさんは人差し指を立てました。



何をするつもりなのだろうと眺めていると

地平線をなぞるように指を横に振りました。


その瞬間、地平線が炎の渦で覆われました!

凄まじい熱量で、かなり距離があるのに熱気で汗が滲むほどでした。


するとコウキンさんは急に地面に座って、大の字になって倒れました。


「だ、大丈夫ですか?!」


「問題ない、ただMPが枯渇しただけだ」

「どこが大丈夫なんだよ!」


「だがしばらくはモンスターたちは

 あのファイアウォールを超えてくることはない。

 今のうちに状況を立て直すんだ」


「で、お前はいつ回復するんだよ?」

「私か? 最低でも1日は身動きも取れない。

 済まないが紅茶でもいれてくれないか?」

「お前はボンコツか?! まだモンスターが来るんだぞ!

 なにやってるんだ!」


確かにコウキンさんの魔法でモンスターは足止めを受けてますが

遠目に見える感じ、再びモンスターたちの数が増え始めているように見えます。


「あのままでは前線が保たなかった。

 休憩が必要だ」

「お前、ぶっ放したかっただけだろうが!」

「否定はしない。あとは君たちでなんとかしたまえ」



私は辺りを見回しました。

周りの衛兵さん達は皆、疲弊しきっていて

重症の人も多い。

それは冒険者さんたちも同じでした。

明らかに疲弊している。休憩は確かに必要でしたが

物資も枯渇気味であり、このままではジリ貧なのは明白でした。




そんな時でした、見覚えのある顔が集団で私の前に現れました。




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