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第十四話 S級冒険者は最高に可愛い?

「郵便でーす!」


その日も私は鍛冶屋のおっちゃんとともに武器の加工をしていました。

今日は武器のメンテナンスにブリジットちゃんも来ていました。


おっちゃんは封筒を眺めると私の方に放り投げてきました。


急に投げるので私は宙で封筒を指で弾いてしまい

アタフタとしながらそれをキャッチしました。


「お前さん宛だ、ギルドかららしいが、またなんかやったのか?」

「失礼ですね、最近はろくに依頼すら貰ってませんよ!」

「事実上出禁みたいなもんだからな」


ブリジットちゃんは笑う。

他人事だと思って……。


それはそうとして、私は封筒を開けた。




――――――


冒険者 ココア殿


貴殿の冒険者ランクは【 S 】ランクに昇格しました。


以降はSランククエストの受領が可能となります。



――――――


実に中身はシンプルなものだった。

わざわざこのために手紙を?


しかし、クエストが受注可能になる。

これは朗報だ!


「おっちゃん、私、『S』ランク冒険者になったって!」

「え、Sランク?!」

「そうだよ! 新しく依頼も受けられるみたい!」

「お、おう、そうか。よかったな、嬢ちゃん」


何故かおっちゃんはよそよそしかった。


とたん、隣りにいたブリジットちゃんが大笑いし始めた。


「お、お前、え、Sランクだって!!? 今までランクなんだったんだよ!」


なんか馬鹿にされてるようで不愉快でしたが私は答えました。


「たぶんランク上がったことないので初期だと、Eランクでしょうか?」


「EからS! 前代未聞だろ!」


「もう、なんでそんなに笑うんですか!」


大笑いしたブリジットちゃんは笑い転げて床に転がっていた。


「おまえSランクの意味知らないだろ」

「意味も何も、一番上のランクなんじゃないんですか?」

「違う違う、Sランクはヤバいヤツを隔離するランクなんだよ!」

「隔離?」


おっちゃんが深い溜め息をつく。


「Sランク、それは事実上のAランクを超える名誉ランク。

 だがその実態は危険人物や人間性に問題のある人物に送られる

 事実上の隔離枠だ。手紙の隅々をよく見てみろ」


そう言われて私は再び手紙を開くと

片隅に小さく注意書きがされていた。


――――――

Sランク冒険者は難易度S依頼以外受領することはできなくなります。

災害保険に加入することは出来ません。

冒険者ランクA以上のキャラとパーティを組む事は認められなくなります。

特例は認められますが、ギルドでの承認が必須です。

――――――


豆粒のような小さい字で注意書きが書かれていました。


「えぇ……これってほとんど自由がないじゃないですか!」

「まぁいいじゃねぇか、元々自由どころか依頼すらなかったんだから」


起き上がったブリジットちゃんはまだニタニタしていました。


「そんな事言うならブリジットちゃんはランクいくつなんですか?!」

「俺、俺はAランクだぜ」

「じゃあ私のほうがランク上ですね」

「いや、それ全然嬉しくないから」

「なんでブリジットちゃんみたいなヤバい人がSじゃないんですか?!」

「失礼なやつだな、俺のような模範的戦士がSな訳無いだろう」


フルプレートを身にまとったブリジットちゃんが胸を張って言う。


「お前、悪いが評判悪いぞ。そのうちSランクになっても

 何ら不思議はないぞ」

「まぁそんときゃそんときだろ。別にどっちでもいいわ」

「こんな凶暴な人がAでなんで私だけS……」


「いやお前はどう考えてもSだろ」

「なんでですか!」

「言わないとわからないのか?」

「うぅ……悔しいです」




こうして私はめでたく? Sランク冒険者となったのでした。


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