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第十一話 ボスレアドロップ争奪戦

私は今、変わった催し? に参加しています。

それはボス狩りというやつです。


ボスと言っても凶悪なモンスター……なのは違いないのですが

あまり強すぎる奴ではなく、ある程度倒せる保証があるが

あまり出現しないレアなモンスターを狙い

そのドロップを狙うというものです。




一部の熟練冒険者の間では人気の金策だそうなのですが

一方で多くの一般冒険者の中では嫌われている業界らしく

なんでも、競争率が高いせいで、同業者が襲われてるのをいいことに

そこを攻撃のチャンスとする。


なんなら、自分たちが襲われているのを他の同業者になすりつける。

ドロップ品も奪い合い、なんならそれを巡って戦いになることもあるようです。


そんなわけで、温厚な冒険者からは距離をとられている世界なのですが……


きっかけはブリジットちゃんの一言でした。

「お前俺が参加してるボス狩りに参加しろよ」


正直私はその界隈の人達は怖いと思ってたので

あまり何も知らなかったのですが彼女は一言怖いことをいいました。

「お前、その武器で競合の同業者ごと焼き払え」

「そ、そんな事したら死んじゃいますよ!!!」

「しるか、この世界じゃ自己責任だ、心配ない」


心配しかありませんでした。

しかもブリジットちゃんが競合相手をあの大剣で滅多打ちにしてる絵は

あまりにも簡単に想像できました!


恐ろしい!


しかし、そんな私でしたがその話にくいついてしまったのは

その破格の報酬。


もしレアドロップがあれば弾薬1年分は確保しても余りある金額に

私はついつられてしまったのでした……。


さらに報酬は出来高制、最も貢献した人が一番割合を多くもらえるそうで

火力こそが正義の世界! 私は静かに心で炎を燃やしていました。






そんな今日狙うボスはゴールデンゴブリン。

普通のゴブリンよりかなり大きく、サイズ感的にはゴーレムやオーガに近いのですが

その特徴は異常なまでの硬さということで

討伐にはかなりの時間がかかるようです。


私はいつも通り所持重量の限界まで弾薬を搭載すると

ブリジットちゃんとの集合場所にたどり着きました。



するとそこにはブリジットちゃんが1人だけぽつんと経ってました。

相変わらずの巨大な大剣は地面に突き立ててあります。


「あの……今回は私たち二人だけですか?」

「ああ、取り分が減っちまうからな、最少人数でいく」

「大丈夫でしょうか……」


すると、彼女は私の肩をぽんと叩くと言った。


「全く問題ない、むしろ出し惜しみするな。

 邪魔するやつは皆殺しにしろ!

 俺は前衛をするが、横槍をするやつがいたらなぎ倒す。

 お前はボスに集中すればいい」


あまりに滅茶苦茶な意見に震えましたがこれも金策のためです。

多少の犠牲は仕方ない……?


私の心は何故かふわふわっと浮かび上がっていました。

この弾丸を全部打ち尽くすほど射撃する……。

心が高揚するのを感じました。


そしてお昼の12時を迎えた頃。

ブリジットちゃんは言いました。

「くそ、面倒なやつがきたな」


その人影は見覚えのある人でした。

以前私を雇ってくれた、ジェノスさん。

あちらも後衛に1人弓使いの人がバックに控えていました。


「あの人、知ってます。以前一緒に仕事しました」

「ああ、有名人だからな。最近ボス狩りにも手を出してきたとは聞いていたが」

「ど、どうするんですか?」


すると彼女は縦ロールを揺らすように首を斜めにすると

邪悪な笑顔で親指で首を斬るハンドサインをしていった。


「邪魔するやつは全員潰す、関係ない」

「こ、殺しはまずいですよ?!」

「心配するな、あいつは殺そうとしても死ぬようなたまじゃない。

 が、全力で抑えなければ手柄をとられちまう。

 俺が抑える、だからお前は予定通りボスを狙え」

「わ、わかりました」


あまりにも不穏なやり取りを終えると、そこには金色に輝くゴブリンが。

間違いない、あれがゴールデンゴブリン!

その一歩ごとに地面が沈み、周囲の石畳がひび割れていく。


私が気がついたときには既にブリジットちゃんが駆け抜けていた。

いきなりの頭部への一撃、しかし全くゴブリンは斬られるどころか

痛そうにしているだけだった。


しかし、ブリジットちゃんはそのあと、ゴールデンゴブリンを無視して

一直線にジェノスさんに向かって斬り掛かっていた!

ジェノスさんもそれに合わせて剣を抜き、ブリジットちゃんの剣を捌いていた。


「ふん……マナーの悪いボス狩り冒険者の典型例のような女だな」

「マナー? そんなものがほしいならこんなところに来るんじゃねぇよ!」


凄まじい剣戟音が鳴り響き、私はそれについ見とれてしまっていましたが


……楽しそうじゃないですか。

あれは私の獲物です。


そこに凄まじい風切り音とともにゴブリンに2本の矢が絶え間なく

連射され始めました。


ジェノスさんの連れている後衛の弓手さんの攻撃。

命中しても刺さることはありませんでしたがかなり痛がっているようで

ダメージは累積しているようでした。



「おい、ココア、なにやってんだ早く攻撃しろ!」


ブリジットちゃんは後衛の人にも攻撃を仕掛けようとしていましたが

ジェノスさんに尽く凌がれていました。


「まるで狂犬だな、こんな事をしてまで手柄がほしいか。

 浅ましい」


「なにいってやがるんだ、この瞬間が一番ひりつくんじゃねぇか!

 お前も楽しいだろ! 自分の力が十分に振るえるのがよ!」


そ、そうだ、私もやらないと。

私はバックパックを起動させると

フルアーマーウェポンシステムが起動した。


ゴールデンゴブリンはジェノスさんをブリジットちゃんと

挟み撃ちにするようになっていた。

ブリジットちゃんは相当慣れている。

ボスのヘイトを相手に押し付けつつも自分の戦いを有利にしようとしている。


私は火力の加減がわからなかったため、

まずは機関銃2門で掃射した。


カカカカカカン!!!


まったく銃弾が効かない?!

いたがってはいるけど全部弾かれた。

確かにこのボス、普通じゃない。


だったら……

私は30cmキャノンの弾を徹甲弾にセットし、

更にレールガン2門も起動した。


トリガーに指をかけると私の高揚感はマックスに到達した。

もう止められない。


「跡形もなく消し去るがいい!!!」


ドガアアアアアアアアアン!!!


激しい爆音。

近距離での射撃だったため、

私も、周囲の全員も爆風で吹き飛ばされてしまいました。


そこに残ったのはボスの被っていた王冠。






……が消し炭になった、残りカスでした。


「お、おいおいおい、ドロップ品まで消し飛ばすやつがあるか!?」


ブリジットちゃんは憤慨していましたが

ジェノスさんはさっと立ち上がると

体の埃をはたいて言いました。


「レアドロに目がくらんだか、組む相手を間違えたようだな。

 アレは私たちのような人間が制御できるタイプの人種ではない。

 よし、今日は退散するぞ!」


そういうと二人は静かに立ち去っていきました。


「あ、あの、報酬は……」

「あるわけ無いだろふざけんなよ!」


私はボコッと頭を殴られて半泣きになっていました。


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