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「メンヘラ魔王、皆を虜に萌え燃えキュン。~あなたも私の虜になってみる?~」  作者: 推尊 奉琉


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4話「魔法のような言葉」

私は、"もえもえキュン"という聞き馴染みのない言葉に疑問を抱く。


「もえもえキュン?その言葉は何ですか?」


疑問を抱く私に丁寧に説明するルイス


「もえもえキュン。かい?それはね。皆を幸せにできる魔法の言葉なんだよ」


「幸せに出来る魔法の言葉?もっと、もっと詳しく教えてください!!お願いします」


そう言って彼にぐいぐい迫る私。


私は、その言葉にとても興味が湧いた。

皆を幸せに出来るという夢のような意味やロマンチックな乙女心をくすぐる響き。

昔から童話が好きだった私にとっては、夢のような言葉だったのだ。


「おお……おおお。凄い迫ってくるね。わかった!分かったから!!教えるから離れて離れて!」


そう言って迫ってきた私の両肩を優しく握り、引き離すルイス

その間も私はその言葉に好奇心を抱き、目を輝かせていた。


ルイスは好奇心を抱く私に説明をしてくる。


「まずね。この言葉は、ある人から聞いたんだ。その人って言うのがね。僕の初恋でもある同じ貴族の人なんだ。彼女の瞳は透き通るような青色で、髪はロング、性格は美しくて可憐で、まさに聖女のような人だったんだ…」


初恋の人の話をしているはずのに彼の表情からは、どこか切なく、悔いたような想いが感じ取れた。

初恋の人に、少し嫉妬してしまう自分も居た。


「ど…どうかしたんですか?」


彼の切なそうな表情に疑問を抱き、動揺しながらも好奇心から思わず聞いてしまった。


「それがね…病弱だった彼女は、僕に何もしてあげれなかった。と後悔しながら僕の目の前で病によって優しく息を引き取ったんだ。」


今にも泣きそうな表情で涙を堪えて言ってくるルイス。


「そ…そんな事があったなんて…。嫌な事を思い出させてすみません。」


まさか彼にそんな過去があったとは。こちらまで申し訳なく思ってしまった。

話を聞いている私まで泣いてしまいそうだ。


「ううん…。大丈夫!!気にしないで。それでね。そんな彼女は、少しでも僕になにかできないかと考え、そんな想いから生まれたおまじないのような大切な言葉なんだ。」


ルイスは染々と切ない感情を込めて話す。

彼の表情からも、過去を振り返る事への辛さを感じてしまう。


彼の幸せを願う彼女からの精一杯の想いを込めたその言葉。

そんな過去を染々と話す彼の姿に感化された私の彼への想いは前よりも格段に強くなり、彼女の分まで彼の事を幸せにしたいと思ってしまった。


「そうなんですね。わかりました!!」


私もその気持ちに答えたい、そんな想いも込めた返事だった。


「だからこそ、少しでも君の力になれることならしてあげたいんだ。」


真剣で誠実さを感じ取れる彼の表情

今までの行いはどこであれ、彼は私を思い動いてきたと感じる。


「わ…わかりました!!その想いも込めて!もえもえきゅん?をしてみますね!!どうやってやるんですか?教えてください!」


私は、そんな彼の期待に応えたいと思い、もえもえきゅんのやり方を聞いた。


「そう言ってくれて嬉しいよ。ありがとう。もえもえきゅんはこうやるんだよ?」


そんな私の気持ちに応えるかのように身振り手振りで優しく教えてくれるルイス。


「わかりました!!こう…こうやるんですね!…ももえもえきゅん♡」


慣れないながらも両手でハートを作ってから相手の事を精一杯に想いながら笑顔でポーズをする私。


「あ~。あの頃の事を思い出すよ。ありがとう…。やっぱりヘンゼルは可愛いね」


一筋の涙を流すルイス。

私がしたことで彼がこんなに喜んでくれるなんて。と心が温かくなった。


そうこうしていると、いつの間にか外は既に暗く、お月様が顔を出していた。

昼よりも行き交う人達の人数は減り、日が暮れた後の夜空に煌めく星達、静まり返った街並みを街頭や家庭の電気が私達を優しく照らす。


「あ、ごめん!!もうこんな時間…。私、家族も心配してるだろうし帰るね」


心配させたくなかった私は、彼とまだ一緒に居たかったが帰宅する事にした。


「ちょっと…まって!一つ聞きたいことが!」


聞きたいことがあると呼び止める彼。


「な…なに!早く帰らなくちゃ!」


早く帰らないといけないが、急ぐ気持ちを抱きながらも背後に立つ彼の方を振り向き、耳を傾ける私。


「ごめん!!これだけ聞かせて欲しい…。僕の事、愛してる?」


彼からの問いだった。

自分だけに見せる、柔らかくも真剣な眼差しでそう私に質問してきたのだ。


「もちろん!愛しています!」


私は潤んだまっすぐな瞳でそう答えた。

心の底から相手に送る精一杯の想いだ。


「その言葉が聞けて嬉しいよ!ありがとう!!じゃあね!!バイバイ!」


嬉しそうに手を振るルイス


「バイバイ!!」


そんな彼に優しく手を振り返す私。


ルイスに別れを告げて帰宅した。


この幸せな日々が今夜で最後になるなんて、彼女はまだ知る由もなかった。

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