主人公
久々の投稿です。是非楽しんでいってください。
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「あの三人、めっちゃかっこよくない!?」
「わかる!レベル違う!」
ひそひそと女の子達が話している。
「光司、これは大成功だな」
高身長で、やたらと上品な男が話しかけてくる。お坊っちゃんかと思われる風貌のこいつは鳴川 響。
「僕たち、やっぱ最強だよ!」
にこにこ笑顔で庇護欲をそそるこいつは、一応男の百瀬 新。
いわゆるショタ系男子だ。
「これは勝ったな」
2人に笑顔で返す。いや、勝手に口角が上がっていた。女子からこんな視線を浴びるのは初めてだ。
俺は 四季 光司、新高校生。彼女いない歴=年齢。中学は中二病を拗らせ、友達と呼べるのは響と百瀬だけ。
自分で言ってて悲しくなるが、これが事実だから仕方ない。皆さんお察しのように全くモテない人生でした。
たあーだぁ!こんなとこで諦める男じゃねぇ。
夢の高校デビューを果たし、爆モテイケメンとして人生を謳歌するんだ!!
数人の女の子に視線を返すと、恥ずかしそうに目を逸らされた。調子に乗って小さく手を振ってみると、悲鳴に近い声が上がった。
それもそのはず。
だって今の俺はチャラめのイケメン。
圧倒的力をもつ我が姉御に力を借り、驚異的な変身を遂げたのだ。
頑張って片目が隠れるように長く伸ばした前髪を切られたときの絶望は今だに心を抉るが、慣れてきた。
無造作セットの意味は未だに分からない。わざわざボサボサにした髪だが案外これが難しい。世の中のイケメンも苦労してるんだと初めて知った。
「あぁ、先生の目の前だ……。」
百瀬が席表をみて絶望しているのを横目に自分の名前を探す。
……おっ、これは。
「は、光司、青春席やん!」
響がバシッと俺の背中を叩いた。
"青春席"。
それは誰もが憧れる、主人公特権の席。
一番後ろの、窓側の席だ。
「これ、おかしいだろ……。」
ご都合展開としか言いようのない演出に喜ぶのも忘れて呆然とする。夢でも見ているのかと百瀬をつねったが痛そうにしていた。
「痛いよ、光司くん……」
目を潤ませる百瀬のせいで何か他の扉が開かれそうだったがぐっと堪える。無意識に頭を撫でていたのは気のせいということにした。
「高校デビューってすごいな」
何処か他人事に感じる青い世界。
俺は、本当にここで生きていけるのだろうか……?
主人公耐性のない主人公体質の主人公です。
どうか応援してやってください。




