表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
居眠り伯とオルドナ戦争  作者: 中里勇史
反撃

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/73

殺戮

 「勝ちましたな」

 ウィンの横で指揮を補佐していたレンテレテスがつぶやいた。

 「トローフェイルの戦訓のおかげだね。ヌヴァロークノ軍の戦法を知らなかったら危なかった」

 「後は、完勝を飾れるか否か」

 「アレス副伯(フォロブロン)とポロウェス卿ならやってくれるでしょ」


 「私に続け!」

 皇帝軍の騎兵を指揮しているフォロブロンが叫んだ。

 皇帝軍騎兵は最左翼の西側を大きく迂回してヌヴァロークノ軍の背後に出ようとしていた。バルエイン隊、ポロウェス隊、オルロンデム隊、アークラスム隊も敵陣を突破して敵の背後に展開した。

 ウィンは後方の丘の上でその様子を見て、とても嫌そうに顔をしかめた。

 「ミラロール攻略のためには、彼らをミラロールに入れる訳にはいかない」

 降伏勧告はするが、拒否するなら殲滅するしかない。それはウィンが好まない結末だった。

 背後から騎兵に攻め立てられ、前面からは歩兵に圧迫される。ヌヴァロークノ軍はもはや組織的な戦闘が不可能になり、自暴自棄になった個々人が戦いを継続しているという状態になっていた。短槍を投げ終えた傭兵たちは、騎兵突撃を受けて激しく動揺している敵陣に短剣で切り込んで着実に敵兵を減らしていった。

 遠目にも、包囲網が狭まりヌヴァロークノ軍が減っていることが分かる。しかし戦闘が終わる気配がない。

 「前線は、ちゃんと降伏を呼び掛けてるのかい?」

 ウィンは不快そうな顔でレンテレテスに聞いた。

 「ポロウェス卿にしてもアレス副伯にしても、殺戮を好む為人ではありません。しかし……」

 あの様子では、ヌヴァロークノ軍は指揮系統を失って戦闘中止を命じる者もいないのだろう。ただ無我夢中で抵抗を続けている状態で、こちらの降伏勧告が耳に届くのか。レンテレテスも歯がゆい気持ちで眺めるしかなかった。

 さらに時を経て、疲労と絶望感で戦意を失った一部のヌヴァロークノ兵が仲間に降伏を呼び掛け、それをきっかけにヌヴァロークノ兵たちは武器を捨てて跪いた。


 こうして、ようやく戦闘が終了した。

 ヌヴァロークノ軍は3000人以下に減っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ