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追放された元宮廷魔術師、辺境で育てた弟子と共に王都を滅ぼすか救うか選ぶことになる  作者: マルコ


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第7章 第4話 黒砂の砦決戦・前篇

 ザハルの合図と同時に、広間の扉が開いた。

 黒帆の兵が怒号を上げ、波のように押し寄せてくる。

 鉄の響きと砂の匂いが混ざり、砦全体が震えた。


「来るぞ!」

 ライラが剣を抜き、最前列に飛び込む。

 ラシードも短剣を構え、怒りを込めて敵を斬り伏せた。


「マリア、結界を!」

「はい!」


 彼女が杖を掲げると、風の壁が広がり、矢を弾き返す。

 その瞬間、私も詠唱を終えた。


「アクア・バースト!」


 水流が奔り、敵の隊列を切り裂いた。

 砦の床を濡らし、兵たちが足を取られる。


「今よ!」

 マリアが氷の呪文を重ねる。

「フロスト・ゲイル!」


 水が瞬時に凍り、鋭い氷片を含んだ嵐となって敵を薙ぎ払った。

 風と氷――複合魔術が完成した瞬間だった。


「やった……! リディア、今の見た?」

「ええ、完璧よ! もう一人前の魔術師ね!」


 マリアの顔が赤く染まり、嬉しそうに笑う。

 その背にさらに兵が迫るが、ライラが刃で弾き、ラシードが突き倒した。


 その時、奥の牢獄から叫び声が聞こえた。

「助けてくれ! 俺たちは囚われの商人だ!」


 ラシードの目が怒りに燃える。

「囚われ人を解放する!」


 彼は仲間と共に牢の鍵を破り、囚人たちを外へ導いた。

 商人や住民が武器を取り、混乱の中で蜂起を始める。


「反撃だ! 黒帆を叩き出せ!」


 砦の広間が一気に戦場へと変わった。


 私は杖を振りかざし、詠唱を完成させた。

「ライトニング・ストーム!」


 天井の松明が一斉に消え、雷光が奔る。

 轟音と閃光が砦を揺らし、兵たちが次々に倒れ込む。


 だが――。

 雷の閃きの中、壇上のザハルだけは微動だにせず、こちらを見下ろしていた。


「小手調べは終わりだ」

 彼が剣を抜いた瞬間、空気が凍りついた。

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