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追放された元宮廷魔術師、辺境で育てた弟子と共に王都を滅ぼすか救うか選ぶことになる  作者: マルコ


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第5章 第4話 黒幕との対峙

 翌朝、街の広場は焦げた匂いに包まれていた。

 人々は破れた屋根を修理し、水路に溜まった灰をかき出している。

 私はその様子を眺めながら、胸の奥で静かに怒りを燃やしていた。


「今夜、終わらせるわ」

 私は仲間たちを見渡した。

「黒帆の首領をここに呼び出す」


 ライラが地図を広げる。

「北の遺跡で奴らの集会がある。今なら潜り込める」


 日暮れ、私たちは街を抜け、遺跡へ向かった。

 月明かりに照らされた石柱の影に、無数の人影が集まっている。

 その中央に、ひときわ背の高い男が立っていた。


「……来たな、魔女」


 低い声。

 月光に照らされた顔には古い傷跡が走り、鋭い目がこちらを射抜く。

 黒帆首領、ザハル――かつて王国軍の将軍だった男だ。


「ザハル、なぜ王国を混乱させる?」

 私が問うと、彼は鼻で笑った。


「王国はもう腐っている。

 宰相が死んでも、同じ腐臭が別の首に宿るだけだ」


 ザハルはゆっくりと歩み寄り、剣の柄に手を置いた。


「お前は王都を救ったと聞いた。

 ならば次は、王国そのものを壊して再建するべきだ。

 ……俺と来い、リディア」


 その誘いに、マリアが息を呑む。

「リディア……」


 私は首を振った。

「壊すだけじゃ何も生まれない。

 私は守るために戦うの。王国も、人々も」


 ザハルの瞳に一瞬だけ寂しさがよぎったが、すぐに消えた。

「ならば敵だ。……明日、オアシスを落とす」


 彼が手を振ると、黒帆の兵が一斉に武器を掲げる。

 私は杖を構え、睨み返した。


「なら、私も全力で迎え撃つ。

 明日は、どちらが正しいか決める日になるわ」


 夜風が砂を巻き上げ、月光が冷たく光った。

 遺跡に集まった兵たちが次々と散っていく。

 ザハルは最後までこちらを見ていたが、やがて背を向けた。


 その背中に、私の決意が強くなるのを感じた。


「リディア……怖くないの?」

 マリアが小さな声で聞いた。

「怖いわ。でも、逃げない」

 私は彼女の手を握った。

「一緒に戦うって、約束したでしょう?」


 マリアが力強く頷く。

「うん。明日は負けない」

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