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追放された元宮廷魔術師、辺境で育てた弟子と共に王都を滅ぼすか救うか選ぶことになる  作者: マルコ


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第4章 第6話 新たな誓い

 砂漠の夜は冷たかった。

 昼間の灼熱が嘘のように気温が下がり、吐く息が白い。

 焚き火の炎が砂の上に赤い影を揺らしている。


「ねえ、リディア」

 マリアが星空を見上げたまま言った。

「王都を出てから、いっぱい怖いことがあったね」


「そうね。……でも、全部越えてきたわ」


 私は焚き火の火を細めながら答える。

 マリアの横顔は、王都にいた頃よりもずっと凛々しく見えた。


「わたし、あの牢屋で思ったの。

 守られるだけじゃ、ずっと怖いままだって。

 だから……次の戦いでは、わたしも前に出たい」


 その言葉に、私は少し黙った。

 夜風が二人の間を吹き抜け、焚き火がぱちぱちと音を立てる。


「前に出るって、簡単じゃないわ。

 傷つくかもしれないし、誰かを傷つけるかもしれない」


「それでも、進みたい」

 マリアの瞳は強かった。


 私はゆっくりと頷いた。

「分かった。……次は、私と並んで戦いなさい」


 マリアの顔がぱっと明るくなる。

「うん、約束する!」


 私は杖を地面に突き、星空を仰いだ。

 満天の星が、まるで祝福するかのように輝いている。


「マリア、覚えておきなさい。

 魔術は剣よりも重い。人を守ることも、傷つけることもできる。

 だからこそ、正しい方向に使い続けるの」


「うん。……わたし、きっと強くなる」


 マリアは砂の上に杖を突き、まるで騎士が誓いを立てるように胸を張った。

 その姿を見て、私は心から微笑んだ。


 焚き火が小さくなり、夜空の星が一層際立つ。

 遠くで砂漠の風が鳴き、どこかから水鳥の声が聞こえた。

 この広い世界で、まだ見ぬ試練と出会いが待っている。


「明日にはオアシス都市に着くわ。

 黒帆の拠点を探し出して、終わらせましょう」


「うん!」


 マリアの声は夜空に響き、星々に吸い込まれていった。

 私はその横顔を見つめ、胸の奥に熱いものを感じた。


 ――これは、ただの旅じゃない。

 私たちが選んだ未来を切り開くための道だ。

ここまで読んでくださりありがとうございます!

第4章「新天地編」では、王都を離れて港町、海、そして砂漠の国へと舞台が大きく広がりました。

マリアが初めて自分の意志で行動し、牢獄からの脱出や旅の誓いを立てるまで、

“守られるだけの弟子”から“共に戦う仲間”へと成長していく過程を書けたのがとても楽しかったです。


新キャラクターのライラや、黒帆という新たな敵の存在も登場し、

いよいよ物語は王国だけでなく世界全体へと広がっていきます。


次章からは「オアシス都市編」。

黒帆の拠点を突き止めるための潜入、オアシス防衛戦、

そして新たな黒幕――砂漠国の将軍との対決が待っています。

より激しい戦闘、そしてマリアとリディアの絆の試練も描いていく予定です。


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