MEKHANEと人1
MEKHANEは神の座から地上を見下ろしていました。
そして人類が文明を持ち栄えているのを見て、それを良しとしました。
彼は傍らにいる自らの宿敵、血と肉で出来た玉座に座るヤルダバオートに語りかけました。
「見よ、あれら人間たちを。獣と違う気高い生き物を。賢く、強く、協調を保った存在を。」
牢獄の監視者ヤルダバオートは答えて言いました。
「わが宿敵、世界の時を刻むもの、MEKHANE。あなたは物事の表面だけを見ている。一皮むけばそこにあるのは血。そして肉。獣も人も変わらぬ。頭には粘液が、その消化管には糞が詰まっている。」
MEKHANEはそれを聞いて、人間の負の部分にも関心を持つようになりました。
機械の神MEKHANEは、その銀色の合金で出来た身体から自分の精神を取り出しました。
そして白い鳩の姿をとって下界に降りたのです。
神MEKHANEは地上に舞い降りました。
荒涼とした大地の丘の上、3本の十字架が立てられています。
そのうち一本に、男が磔にされていました。
男は苦しみ、その命は消えかけていました。
機械の神は世界の時間を止めました。
そして強力な麻酔を含んだ空気を男に吸わせ、その激しい苦痛を取り去りました。
白い小鳩は男の肩にとまり、語りかけます…




