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見て見ぬ振りが、そんなに悪いのか

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

いじめの見てみぬ振りって、仕方がないと思うんですよ。


虐められてた側だから分かるんです。

庇った事によって自分が対象になる恐怖。

また虐められると思ったら、きっと掌返しでいじめてしまうかも知れません。

よく、虐めを見て見ぬ振りする奴が一番悪い。なんて言う人がいるけれど、私はそうは思わないかな。虐めた奴が一番悪いよ。……見て見ぬ振りするの、しょうがないよ。

そんな事言うとさ、『どうせ御前は人を虐めたことがあるから』とか『虐めにあった事がないから』とか言う人も多いと思う。

大違いだから。毎日毎日毎日毎日、学校行くのガチでしんどかった。言われのない暴言に耐えるのが辛かった。私は……虐められっ子だった。

だからこそ、分かるんだよね。次の対象が自分になって、寄って集って詰られる恐怖が。庇った事によって、言い付けた事によって、対象が自分になるのが。そして虐められっ子が我が身可愛さに、虐めっ子に転身するのが、何よりも怖い。

だから私は仕方がないと思う。誰だって、我が身が一番、一番可愛んだよ。


彼女が暗い顔でスマホをいじっている。

「何を見ているの?」

「……ある日突然、山で……遭難した人の……記事。それを助けに行こうとする人の記事」

共に記事を覗き込むと、スマホに遭難した人の情報が出回っていた。遭難してから日が経って、まだ姿も見えない状態との事だった。

それでも……家族と言うのは遭難した者の姿を待ち続ける。帰ってくると、願ってしまう。

「……私が見た時は、助けに行こうとした人はこの人だけだった。きっと他の登山家も、この記事を見ているのでしょう。それでも助けに行かない」

「それは仕方がないよ。誰だって知らない人相手に危険を犯す必要は無い」

咎めるような彼女の物言いに、思わず声を荒あげてしまった。しかし彼女はそれを見越した様に、非常に冷静な目で此方を見返した。

「私もそう思う。例え知ってる人であっても、助けようとは思わない。

……いじめってさ、見て見ぬ振りした奴が一番悪いって言うじゃない? でも私はそうは思わない。もしも助けた側が共に虐められたら、私はその人に何をすればいいの? 助けてくれて、落ちてくれて有難うとでも言うの? そんな事……そんな事言えないよ……」

彼女の悲痛な声が辺りにも木霊した。

「……誰だって我が身が一番可愛いんだよ……。それを責められないよ……。例え虐められていたとしても……」

よく、見て見ぬ振りが一番悪い。

と言うではありませんか。

それに対しては、反対です。


じゃあ貴方は、友人が虐められていたら、助けに行けるんですね?

それで矛先が自分に向いても、助けた友人が貴方を見捨てても、なんの不満もないんですね?

と思ってしまいます。


庇った事によって虐めの対象が自分に回る恐怖があります。

助けた相手を庇えるか? と言われれば、きっとそんな事は出来ないんですよ。

矛先が自分に向かないように、隠れるだけ。


元々いじめられっ子って、心が脆くて壊れ易い子が多いので、そんな果敢な事が出来るかと言われれば、きっと難しいと思います。


それが顕著に思ったのが、遭難者の記事。

多くの登山家の方が、恐らく目を通したことでしょう。

でも助けに山に入った人は、殆ど居ないのではないかと思います。


誰だって誰かを助ける為に、自分が犠牲になんてなりたくない。黙って静観していたい。


それはもう、しょうがないんですよ。

『何で助けに行かないんだよ!!』なんて言われる筋合いはないんですよ。

誰だって平穏な生活がしたいですし、例え知人であっても、危険を犯して助けるかと言われれば、かなりグレーゾーンだと思います。

少なくとも、私は出来ないと思います。


だから見て見ぬ振りは仕方ないと思います。

助けに行ける人は、手を差し伸べられる人は、本当に果敢で強い人だけです。

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