俺ら明日LIVEなんだが?!
「皆さんには魔王を倒していただきます」
え?なに言ってるんだこの‥人?、格好も天使みたいだしコスプレか?
あっそっかメンバーの誰かのドッキリか、そう思い両サイドをみるが2人もキョトンとした顔でこちらをみていた。
あたりを見渡すが特に物はなくほんとにただそこに1人の人間?が立っているだけだった。
「あんた誰だよ」
「私ですか?私は天使ですよ?」
なにを当たり前のことをというような顔でその目の前の天使とやらは言った。
「天使?ふざけてるのか、俺は真面目に聞いてるんだが?だいたい、いきなりなんだよ魔王を倒せって」
「失礼な大真面目ですよ!言葉の通りです、皆さんに魔王を倒していただきたいんです。」
天使?!ほんとに‥なんなんだ…なんでだ…僕らはただ…
4か月前、とある告知をするため配信をとった3人がいた。
「えっとみんな聞こえてるかな……」
画面上に流れる言葉に目を向ける、こんばんは!、大丈夫です!、ドキドキするなどの文字が目の前の画面を流れていく。
「うん、大丈夫だな。はい!ということで俺達のこと知らない人がいるかもしれないのでまずは自己紹介します!」
いやみんな知ってますよ!などという言葉が一気に画面を流れる。
「えっ?みんな知ってるいやでも…ほら!初見ですだって!知らない子もいるから、ってことでやります!はいっ、まずは黒烏」
「えっ?いや俺からかよ…まいっか、はいえーっと烏は黒い、黒いは烏、どうも黒烏です!」
「なんだよその挨拶聞いたことねぇよ!」
「いや、なんか配信者っぽい挨拶した方がいいかなって」
黒烏、雑談配信がメインで声真似も得意だ。雑談をよくやるわりに結構すべってる気がするがまぁ気にしないでおこう。
「いや、どうせやるならもっとまともな挨拶考えてこい!次、zEfE」
「zEfEです」
「…いや?それだけ?」
「うん、だっていつもこうだし、それに黒烏みたいなつまらない挨拶するよりよくない?」
こいつはzEfE主にゲーム配信をしている。無口な感じなのだがゲームをすると饒舌になる。
「まぁそうだな、無駄につまらなかった黒烏よりはいいか」
「いや、ひどくね!?」
「よし、最後は俺だな。赤い薔薇の貴公子ローズです。俺にさわるとトゲが刺さるぜ?・・・・・ハイってことで告知なんですが」
「いや、お前もたいがいだよ!何が赤い薔薇の貴公子です。だ、何が俺に触るとトゲが刺さるぜ?だ!今のお前の顔の方が薔薇より赤いわ!」
「・・・はいっ、てことで事前に言ってあった通り告知なんですが」
「無視するな!」
「…じゃーん!なんと!俺達LIVEをすることになりました!!」
画面をみると驚きや待ってました、おめでとうございますなどの文字によって画面が埋め尽くされる。
夢にまで見た舞台、できると決まった時はものすごく嬉しかった。だけどやっぱりこうやって発表して皆のお祝いの言葉がきけると何倍も嬉しいな。
リスナーの言葉に僕は目元を押さえながら口を開いた。
「みんな‥ありがとう‥俺とzEfE2人で最高のLIVEにするからこれる人はよかったら来てください!」
画面をみてみると、絶対いくよ!泣かないで!私も泣きそう‥、えっ?2人で?‥などの言葉が流れていく。ちょっとにやけてしまった。
「うんうん‥っておい、ちょっと待てローズ!俺は!俺の存在忘れてるぞ!」
「えっ?お前もでるんだっけ?」
「えっ?じゃねぇ!でるに決まってるだろうが出ないんだったら俺なんでこの場にいるんだよ!」
「いや、俺達をお祝いしに来てくれたのかなってwなぁzEfE?」
zEfEが頷きながら口を開く
「大丈夫だよ黒烏僕達だけで、お前の骨は拾ってあげるから」
「えっ?骨拾うって、何、俺死ぬの?」
「うん、夜道には気をつけてね」
「俺お前に嫌われることした?いやだ、俺も出る~骨になる前にLIVE出してくれ~」
‥‥今年30になったいい大人とは思えないな。
「なんて冗談はここまでにして、俺と黒烏とzEfEの3人で初LIVEします!なのでみにこれそうな方はぜひ!ちゃんと黒烏も出ます!‥何もなければ、ってことで短いけど今日の告知配信はこれで終わり!みんなまたね~」
「ばいばい」
「ちょっと待ってまた最後に不吉なこといってな」
という感じの告知配信をした3人の初LIVEが行われる日である前日の今日ほんの数時間前から僕達は最終リハーサルをしていた。そうただリハーサルをしていただけだったんだ。それなのに‥
「よし、じゃあラスト通しでやって今日は終わりにしよう」
「うん」
「そうだな、明日もあるし」
僕達は1から通して本番予定通りこなしていきそして最後の曲が終わった時だった。
「まぶしっ」
スポットライトが強くなり目の前が真っ白になった、そして気づけばメンバー含め僕達3人以外誰もいない真っ白なふわふわした空間、誰も何も発せず無意識に足が進みしばらく歩くと目の前に天使のようなものが現れ今にいたる。
僕が驚きだまっていると、黒烏が代わりに尋ねた。
「お前が魔王を倒してほしいってことはとりあえずわかったでもなんで俺達なんだ?それにここは一体どこなんだ?お前が俺達を呼んだのか?」
「ええ、そうですよ私が呼びました理由は特にないですね。ランダムで適当に、ここはそうですねどうお伝えすればいいか」
その答えに対して今度はzEfEが尋ねた。
「天国か?」
「いや、天国とか地獄とかそういった類いのものではないのですよ。転移者のために用意しただけのものなので」
そうだ一番肝心なことを聞かないと
「なぁそんなことより今すぐじゃないとダメか?俺達明日大事な用があるんだけど?」
そう僕が問うと天使であるらしいやつが不思議そうに答える。
「魔王を倒すまで元の世界にかえれませんよ」
「「「えっ?!」」」
「当たり前ですよそう簡単に何回も何回も転移させれるわけないでしょ世界が狂っちゃいますよ」
悪びれもせずによくもまぁ‥
「いや、俺ら明日LIVEなんだが?!」
ご覧いただきありがとうございました。
普段小説を読まずただ物語を考えるのが好きというだけで書き始めたため大変文章力がなく読みにくかったことと思います。
話はまだ続きますのでまた読んでいただけると嬉しいです。