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勝ち組

独り立ちを決めたひろし。 今後はどんな流れになるのか・・・

「勝ち組になろう」そう心に決めたものの・・・いざ一人立ちすると思うように勝てない。理由は簡単

だった。 そう、釘読みが甘かった為だ。 完璧に見るにはどうしたらいいか? いろいろ考えて見つけ

たのは「測定」だった。 定規を15ミリほどに切ってそれでガラス越しに計ろうと考えた。


が・・・そんなに甘くはいかなかった。パチンコ台のガラスは磁石ゴト防止の為に2重構造になっていた

のを忘れてた。 それでも計らないよりはマシとばかりに実行してみる。


だいたいの釘はザッっと見ておいて1番を決めるのに計る。そんな感じで使ってみた。「釘見君」

(くぎみくん)単純なネーミングにしてみた(笑 


これを最大限に活用する為にもうひとつ大事な事。それは「利き目」を知る事だった。見る「目」にも

利き腕のように「利き目」がある。 どうやって知るか?


人差し指を立てて「ここが真っ正面」と思う所に腕を突き出す。それを片目ずつ閉じたり開いたり

して見てみる。 左右のズレが少ない目が「利き目」となる。 これで釘を見る時は「利き目」

の方だけで見るようにするとかなり正確になる。



「釘見君」使って測定するのに最大の壁は・・・人の目だった。「何やってんのアイツ?」

「馬鹿じゃないの?」などと聞こえてくる雑音ノイズ それがたまらなく痛かった。それでも

「勝ち組」になりたい!って思いが強かったので気にしない事にした。が・・・痛かった。


人に笑われながら・・・これが思ったより良いプレッシャーとなり「勝つ」という事に拍車を掛けた。

負けて帰ろうものなら指さされて笑われたもんだった。 カッコ付けて「強い」振りしてその実負け

組の奴なんざ眼中になんてないさ。


とは言うものの当時のメイン機種はハネモノなので勝っても金額的には大した額じゃない。せいぜい

1~2万ってとこだった。 それでも「勝つ」事が嬉しかったし楽しかった。この頃から「収支」

を付けるようになった。 自分の思い込みじゃ勝ってるつもりでも実際は負けてる奴は多いはず。

自分は確実に勝ちを意識したいから付けるようにした。 付ける事、付けることが出来るって事が

「勝ち組」の最初の階段だと思っていた。


あの頃は稼働時間が随分と長かったなぁ?と思う。ハネモノは定量制でだいたい4000個終了

が主流だった。若干余分に抜かせてくれてたんで2.3円換金でほぼ1万円が終了の玉数だった。

1台終了させるとまるで天下を取った気分になる。不思議な感覚だった。やってる者にしか判らない

感情なんてどの世界にもあると思うが、人から見て羨ましいほどのモンでもないのに自分だけが

バカみたいに満足する不思議な自己満足の世界がそこにはあった。


その感覚を何度も味わいたくて、勝つ事が嬉しくて、毎日毎日店に行く。 そうすると必然的に

常連さんと仲良くなったりする。 自分は結局岡田君の店に居付く事になったのだが、岡田君とは

あまり親交がなかった。 最初に居付いていいか?と尋ねに行ったら「勝手にせんけや」と言われた。

それから挨拶程度の仲にしかならなかった。 理由はよくわからない。が、友達作りに通ってるんじゃ

ないと自分に言い聞かせた。


ハネモノもいろんな機種が世に出たが、信じがたい事だが・・・ハネモノですらお上は規制を掛けてきた。

入賞個数の制限だ。 それまでスタートチャッカーも役物入賞球も13発戻しだった。おまけにハネの

開閉は1Rあたり18回と決まってたが入賞個数に制限はなかった。


それがチャッカーは5発。ハネは18回の開閉もしくは10個入賞で終わりとなった。 チャッカーの

戻しは半分以下になるので投資がかさむ。入賞も個数制限されては打ち止め時間に影響を及ぼす。


たかがハネモノにまで締め上げるお上に腹が立った。が、どうする事も出来ないジレンマがそこにはあった。



次第にハネモノの限界を感じてくるまでに時間はかからなかった。

久しく更新が途絶えて申し訳ありません。 遠い昔の事なので記憶を紐解くのに時間が掛かりました (;^_^A

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