「これからは私の物語」
ユカリ就寝後、ユイとノアはユカリについて話している。それは彼女の評価ではなく単純に家族として向かい入れられるか、彼女は自分達を家族と見てくれるか。
「ユカリちゃん、大分大人しくてちょっと不安だね」
「控えめで謙虚というか私の聞いた話と大分異なっていますが……凶暴とか攻撃的では無いですね」
「それに何だか怖がられてる気がするな~お姉さんそんなに怖い?」
「いえ、怒ったら怖いですけど……肩を竦めて話さなくても……」
「まだ慣れないから……と言うのは甘やかしだと思うけどもうちょっと手を伸ばしても怒らないのに」
「単純に私達が嫌とかでしょうか?」
「ううん、違う。あれはきっと手を伸ばすのが怖いんじゃないかな?」
私の言葉にノアちゃんは小首を傾げる。
「ユカリちゃんのデータによると過去に裏切られたり悪者扱いや精神的攻撃をされて人間不信を患ってるみたいね。誰も助けないしもしユカリちゃんに心機一転のチャンスがあるなら自分を偽って嘘で固めて嫌われないようにするとかかな?」
「そんなのユカリさんじゃないですよ。ロボットですよ!あんなに可愛いのに……」
「何もかも作ってるならお姉さん達が壊してあげないとユカリちゃん自身ですら中身があやふやな状態みたいだし本当の自分を思い出せればいいのに」
「ですが……そんなこと」
「出来ないね、もう壊れちゃってるんだもん。壊れたモノは直せない、ユカリちゃんは本当はもっと私達に寄り添いたいのにトラウマのせいで手を伸ばせないでいる、だからもう少しお姉さん達が親身になってあげればユカリちゃんも心を開いてくれるかな?」
「どうなんでしょう?ユカリさん、逆に迷惑とか――― 」
「あっ、お姉さんそんなの気にしないから別にいいよ?」
「そこはお姉さんなんですから気にしてください!!」
素早いツッコミが入ると私はにこにこしながら笑った。
「ノアちゃん、お姉さんに良い考えがあるの♪」
ユイは耳元で囁くとノアはすっ頓狂のような声で口をポカーンと口を開ける。
「ほ、本気ですか!?危ないですよ!?」
「大丈夫♪お姉さんに任せて!」
「ユイさんの任せては大丈夫じゃないのが怖いんです!」
ノアちゃんは危ないからと注意をするも私は止まらない。
「名付けてユカリちゃんラブラブ大作戦♪」
「ユイさんしか得のしない作戦名ですね」
「うふふ♪これでユカリちゃんをあんなこんなことを・・・・」
「なっ!ユカリさんは私の妹でもあるんですよ!エッチさんです!」
ポカリと優しく殴られると冗談だと微笑む。ノアはそうと知ってもユイを叱りスキンシップの域を越えないと約束した。
これから始まるユカリの物語は少しずつライトアップしていくのであった。