「私達は運命的な出会い?」 その3
逃げた矢先、ゆいゆいに目が止まる。
後ろめたい感情を押し殺して逃げようとしたがユイさんに遮られて目を合わせてしまった。
こうなれば後は逃げる方法は一つだ。
私はじ~っと見つめる、やっぱり美人だ、私とは比べ物にならないくらいに美人だ。
「あの……何で赤らめてるの?」
ユイさんの問いに私はもじもじとちらりちらりとゆいゆいを見つめては頬が赤くなる。
「だって…こんな人が私を迎えてくれたなんて思うと美人で優しいお姉さんで良かった」
ぽひゅーんとユイさんの顔も蒸気が発生して顔を真っ赤にする。
「柔らかそうな肌に整った童顔寄りの顔、瞳は引き込まれそうで・・・・」
私は思ったことをそのまま口にすると彼女の顔はどんどん赤面していく。
「ユカリさん、ユイさんが恥ずかしくて死にそうなのでやめてあげてください」
いつの間にか本人は顔を手で覆っている。ノアさんの言う通り褒め過ぎたかな?
「でも本当だよ?もっと顔を見せて」
「あわわ!駄目ですそれ以上見たらユイさん死んでしまいます!」
私はゆいゆいの手を退けて両手を拘束して下から眺めるように顔を見る。そこには真っ赤になって涙ぐんだ羞恥心で今にも倒れそうだ。
「綺麗♪」
その瞬間私は抱き締められた。我慢の限界だったのかゆいゆいは瞳をハートマークいっぱいにしてむぎゅっと締める。
「ユカリちゃんのバカ~!子どもにそんなに褒めたら好きになっちゃうじゃない!!」
「ふえ!?く、苦しいよ!?」
「好き♪好き好き好き好き好き大好き!!」
突如謎のラブパワーにゆいゆいは暴走して好きを連呼する。愛情が爆発して私を好きになってしまった。暴走は止まらず頬にキスをされる。
「ちょっと!?あのスキンシップだよ!?」
「可愛い♪大好き♪ユカリちゃん~結婚しよ!」
急に豹変したゆいゆいに私達は驚愕、私は逃げようにもガッチリ抱き締められている。
「ゆ、ユイさん!?あの……」
「ノアちゃんも結婚したいの?」
「何でそうなるんですか!?私h―――― 」
「仕方ないな~♪二人分の婚姻届持って来るね♪」
「訳が分からないよ!!?」
ゆいゆいの暴走は止まらず結局夜になるまでユイは暴走列車の如く愛を私達に伝える。スキンシップな行動も余儀無くされて私達はクタクタになった。
折角逃げれるチャンスを私は失ってしまった。
☆★☆★ 夜
「ごめんなさい……お姉さんが一番暴走しちゃって」
正気に戻ったゆいゆいは私を撫でながら謝罪する。何故か私はまだ離して貰えない。
「ユイさん、相変わらず子供がお好きなんですね」
一息吐いたノアちゃんは呼吸を整えて言葉を交わす。
「うん、それにそんなに褒められたの初めてで会った時からユカリちゃんが可愛くて理性を抑えてたのに爆発しちゃった♪」
チュ♪とキスをしながら私を愛でる。私は未だに頬が赤く、これまでされたことのない愛情を受け取り困惑している。
「も、もう~暴走し過ぎだよ~私だって好きになったのに」
「うんうん♪お姉さんとの婚姻届はまた書こうね♪」
「結婚前提!?」
「結婚しないの!?」
さも当然の如く発言するゆいゆい、私は驚くことばかりだ
「いや……私……男の人とするもんだと思ってたけど女性同士はアウトなんじゃあ……」
「異世界に行ったら申し込めるから書いていい?」
「ダメダメダッメーです!ユカリさんの事がいくら大好きでも異性との結婚が好ましいです」
「ノアちゃんも結婚したいの?」
「へっ!?それはですね……」
突如に弾丸のように話が変わり恋愛話になるとノアちゃんは耳まで真っ赤になる。多分耐性が無いのかな?
「お姉さんと」
「ユイさんは駄目って言ったじゃないですか~!!ユイさんめっ!です!」
一つ一つのノアちゃんの仕草が可愛いことは捨て置き、漸く解放された私はもう既にお腹ペコペコでぐぎゅるると鳴ってしまった。
「あらあらお腹減ってるのね♪待ってて今ご飯の用意するから♪」
我慢すると言おうとしたがやっぱり私の付け入る隙間が無い、ペースが追いつかず流されているような感じだ。
「あっ、いや……」
私は断ろうとしたその時口元を指で押さえられる。
「もう我慢しなくていいのよ、これからはお姉さんがユカリちゃんを幸せにするから。お姉さんに任せて♪分からないことはちょっとずつ咀嚼してユカリちゃんなりに状況を覚えてくれればいいよ♪」
ゆいゆいはそう言って部屋を後にした、私の事をそんなに理解してくれてるんだと判断してノアさんと他愛もない会話をすることにした。