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幻影道    作者: SAKI
22/22

「これからの日常とこれからの生活」

翌日、私はゆいゆいに起こされ学校へ行く準備をする。制服に身を包みネクタイを締め (ゆいゆいに締め直された)、ご飯の匂いに誘われ一階へ降りて行く、そこにはエプロン姿のゆいゆいが振り向くと心臓がドクンと鼓動する。一目惚れしてしまった以上どうしようもない私は一旦離れて息を整える。ダイニングルームに座り込むとゆいゆいが朝御飯を持って来てくれた。


「ご馳走?」


「そんな訳ないでしょ?普通よ、普通」


ご飯にお魚にスクランブルエッグに味噌汁にヨーグルトなんてご馳走でしかない。これが毎日だと思うと幸せな日々が送れそうだ。


ご飯を食べてる時ゆいゆいに色んな事を聞かれた。体調やら病気のこととか不安や戦士にとかバイトのこととかについても沢山、でも私は首尾一貫として曲げることはしなかった。私はゆいゆいを守るため病気や戦場でも死ぬまで付いていくことにした。だから迷いなんてものはない、不安はあるけどね。


「分かった、ユカリちゃんが決めたことだものお姉さんは強制はしないよ、その代わり急に怯えて逃げるのは駄目だからね?これからもっと辛いことがあるから―――― 」


「大丈夫だよ♪私は絶対に逃げないし諦めないよ。ゆいゆいが提供してくれる幸せを無下に出来ないよ」


そう言って身をほぐした魚を一口パクリと放り込む。シンプルな味付けでご飯が進む、美味しくてゆいゆいが微笑んでしまう程にね。


「ゆいゆい、頑張ろうね!」


ゆいゆいと話してると時間なんかすぐに忘れてしまう、いつの間にか食べ終えて支度をするとゆいゆいが近付いてくれた。


チュ♪


頬に触れる柔らかな唇、甘い香りのゆいゆいは小悪魔的にズルかった。


「行ってらっしゃい♪」


初めての学校、初めての登校、初めての行ってらっしゃい。後押ししてくれるような感覚でゆいゆいに挨拶する。


「行って来ます、ゆいゆい♪」


何処か手で押されるような感覚でドアに手を掛ける。ここからは私の物語が始まるんだ。誰でもなく私が主人公の私だけのストーリー、きっとこの道は異世界と私が住む世界が交差する幻想的で誰も知らない轍、その世界についに私は一歩を刻む。そこには眩しいくらいの日差しが差し込み優しいそよ風が吹いていた。


靡く風にこめかみを押さえて空を見る。


お姉ちゃん見ててね、私の道を天から見守ってね、大好きだよお姉ちゃん。


そう告げるとユカリは風が吹くままに地面を蹴って真桜高校への道を歩いて行った。この世界はきっと“普通”では絶対に有り得ない幻想的な出会いだ。


 この出会いは無駄にしてはならない、これから押し寄せる復讐と日常の日々を並行して行かなければならない。


 たとえそれが血塗られた真っ黒な世界だとしても私は家族を守る為にこの道を進んでいくんだ。


幻影道 改修版 一巻 終

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